2020年には日本の総人口の四分の一が65歳以上になると推測されています。現在は問題なくとも年齢とともに身体機能が低下し、ちょっとした段差であっても不都合になることもあります。将来の加齢に対応するため、高齢者同居住宅などバリアフリー住宅は求められています。
障害、難病の場合はできるだけ希望する方法が大切ですが理学療法士や作業療法士の意見も取り入れていくことが大事です。また工事内容によっては補助金が活用出来たり住宅ローンを活用する場合に特別枠がある場合もあります。いずれにしても介護する側、される側においてもより快適にできるような対応が必要です。
手摺りは本人の使いやすい高さが一番ですので、本人の意思を尊重してください。
また、サンプルを見せたり棒の高さを確認してもらうといいでしょう。
階段の手すりの設置は建築基準法により決められていますが、それ以外の場所にも手すりを設置したいものです。特に玄関や浴室、トイレなど立ったり座ったりする場所には必ず付けるようにしてください。目的によって変えます。特に階段と廊下はきき手の関係があるので、両側に付けることをおすすめします。現在必要がなくても将来を考え、必要なところには設置するか、設置できるように下地を入れておくなど配慮しておきましょう。デザインも洗練された美しいものにし、家族全員にも対応できるようにしたいものです。
※廊下などの手摺りの位置は高さが75センチ~85センチくらいがいいでしょう。
※ドア・出入り口の手摺りは床から1メートル10センチ~1メートル20センチ位がよく使われる高さです。
既存の建物があればよく触る高さを目安にして設置するのもよいでしょう。また転倒が多かったり、床を這って移動する場合にはもっと低い位置に設置することも有効です。
※玄関の手摺り位置はおおよそ、床から80センチ位が一般的ですが、身長の高さにも左右されるので体の前方でつかめるような位置が適切でしょう。転倒が起きやすい場所なので、L字手摺りを設置するなどの工夫されるとよいでしょう。
※トイレは便座より20センチから25センチくらいの位置が一般的に使いやすい位置と言われています。L字手摺も有効です。向かって正面や側面が使いやすい位置になります。
車イスの生活に必要な通路の幅は85cm以上とされていますから、従来の基準では対応しきれません。建物の基準寸法を1mにおいたメーターモジュールを採用するのはひとつの方法です。車イスを回転させるのに必要なスペース(150cm×150cm)も確保しておきたいところです・将来を見通してこうしたスペースは現在車イスを使用していない場合でも、考えておきたい配慮です。階段の広さも同様に広くしておくことも有効です。
うち開きのドアは、開閉に意外と力を使います。車イスを利用するようになれば、尚更でしょう。万が一トイレで誰かが倒れた場合も、トイレの戸が内開きだと、救出が困難になるという欠点がありますので、トイレは外開きや引き戸で出入りをよりし易くすることが大事です。 握りやすい太さの把手付きの引戸がおススメです。またガラスの入った建具を選ぶ時は、転んだり、つまずいたりした時のことも考慮しましょう。
浴室が深いとつまずいたり、危険が伴います。洗い場から浴槽へ、片足立ちになる瞬間につかまりたいのが手すりです。より安全なのは、腰かけと手摺が有効です。また、ゆっくり浴槽へと足を下ろして入れば、転倒の危険はかなり少なくなります。最初から浴槽のフチをある程度広幅にしておくのもよいでしょう。また浴槽に入っている時には体が不安定になりやすいので、体の安定を保つためのバーや、床に滑り止めの付いた浴槽が最適です。
温度差も心臓に負担をかけます。主な居室の空調とは別に、トイレ、浴室などには個別に暖房を用意しましょう。温風ヒーターのほか、サーモパネルや足元温風機などはサニタリースペースに快適な温かさを提供してくれます。最近では床暖房やパネルヒーターなどの全室的な暖房器具も普及しているので検討してみてもいいでしょう。
玄関や浴室のタイルなどの床材は、表面がすべりにくい材質のものがおススメです。
サニタリーの床仕上げのクッションフロアよりも、自然の素材である木質系の床材がおすすめです。
ただし強度のあるもの、しっかりした材料を選んで、防水性の不足を補う必要があります。壁仕上げは、手すりを取り付けても、壁を伝って移動もあるので汚れに強い、ある程度の素材がいいでしょう。
無垢材は勿論、ポリエステル化粧板、メラミン合板を使用すると汚しても簡単にふきとれるので便利です。障害、難病の場合はできるだけ希望する方法が大切です。
理学療法士や作業療法士の意見も取り入れていくことが大事です。
注文住宅の建築予定地域から施工可能な工務店が探せます。