構造躯体に比べて耐用年数が短い内装・設備について、維持管理(清掃・点検・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること。
・構造躯体等に影響を与えることなく、配管の維持管理を行うことができること
・更新時の工事が軽減される措置が講じられていること
例えば…
①コンクリート内埋込み配管:立ち上がり等の貫通部を除き埋め込まない。
※このようにしてはいけません。
②地中埋設管上のコンクリート打設:建物内部分は配管をコンクリートの下に埋設しない。
③排水関東の内面設置状態:清掃に影響を及ぼさないように平滑かつたわみ抜け変形など生じないように配置。
④排水管の清掃の為の基準:掃除口、または清掃可能なトラップを設ける。
⑤配管主要接合部等の点検口の設置基準:
1)設備機器と排水管・給水管・給湯管の接合部
2)排水管・給水管・給湯管・ガス管のバルブ及びヘッダー部の接合部
3)排水管の清掃口
【メンテナンスしやすい給排水配管の例】
ヘッダー配管工法…従来の「分岐配管工法」に比べて継ぎ手(漏水などの原因となる部分)の数が少なく、かつ集中しているのでメンテナンスがしやすくなっています。
・従来の「分岐配管工法」
・「ヘッダー配管工法」
○メンテナンスが楽な内装材(一例です)
①対傷性フローリング
…一般のフローリングに比べて、表面に薄いシートや対傷性塗装コーティングを施してキャスターなどの傷がつきにくくしたものです。
②パネルカーペット
…30~40センチ四方のサイズのカーペット。部屋の一部分で使用することも可能です。汚れたり傷つけたりした場合、その部分だけの取り替えで済みます。※ただし年数が経っているときは既存部分が色やけを起こしていて若干色が合わない場合もあります。
③珪藻土(塗り壁)
…汚れや傷はつくものの補修しやすい素材です。手あかなどは消しゴムで軽くこすれば落ちるケースがほとんどです。傷がついたときなどは材料を水に溶かして指で薄く塗ることで目立たなくなります。
建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること。
・維持保全計画に記載すべき項目については、
①構造耐力上主要な部分
②雨水の浸入を防止する部分及び
③給水・排水の設備について点検の時期・内容を定めること。
・少なくとも10年ごとに点検を実施すること。
つまり、家を建てる人が自分で「調子が悪くなったから点検する」ものではなく、構造そのものや構造にダメージを与えやすい、雨漏りの可能性・水漏れのなどの点検をいつ行うかを初めから計画を立てておく、というものです。
皆さんもメンテナンスの楽な住宅を建てて、長く使ってあげましょう!