【自然素材について】
自然素材の良い点は、天然由来のものですので健康に良い・気持ちが良いという事、使っていくほどに味わいが出てくること、廃棄した場合にも環境負荷が小さく未来の環境に対してやさしい事、などが挙げられます。家族が長く過ごす家ですから、後から変えられないような部分には出来るだけ使いたい、という方が増えています。
1.床材
①無垢床フローリング…一枚板をフローリングの形にした「ソリッド型」と数枚の板を継ぎ合わせた「ユニ型」がある。さまざまな樹種があり、それぞれに特徴があるが一般的な特長を挙げます。
・合板フローリングと比較して良い点は
(1)素材自体に接着材を使う必要がないのでホルムアルデヒド(シックハウスの原因に
なるもの)の拡散がない。
※施工時には下地に接着するのでゼロではないが微量ですぐに拡散してしまう。
(2)経年による劣化を感じない。逆に年と共に味わいが出る。
(3)断熱性が高く、“木のぬくもり”を感じることが出来る。
(4)見たときの質感が良い。なんとなく豪華さがある。
(5)一枚板なので傷がついても修復しやすい。
・合板フローリングと比較して悪い点は
(1)値段が高い。
(2)湿度や温度の変化によって反りが生じたり隙間が開いたりする場合がある。
※床暖房を施工する場合は素材の検討が必要。
(3)板によって色のバラつきがある。
②コルクタイル(フローリング)…原料はコルク樫。1本の木から15回~18回程度採
取できるため自然保護・環境保護の両面から注目を集めています。1㎡あたり4000
個の気泡があり、その特徴により以下の特性があります。
・特長
(1)比較的やわらかいので「静か」遮音性・吸音性に優れている。
(2)抗菌性が高い。
(3)滑りにくい。
(4)火・水に強い。
・デメリット
(1)日焼けによって色落ちする場合がある。
(2)独特のにおいがある。
③竹フローリング…成長が早いので環境負荷が少なく、近年注目されています。昔から夏
の敷物などに利用されており、なじみがある素材です。
・特長
(1)さらりとした感触が気持ち良い。
(2)抗菌・消臭効果がある。
(3)タテ方向に関しては反りや曲げに強い
・デメリット
(1)ヨコ方向に関しては収縮が生じやすいので品質に注意が必要。
(2)乾燥度合いによっては“ささくれ”を生じ、湿度が強いとカビを生じる場合がある。
④サイザル麻…じゅうたんやカーペットとして使用されています。独特の感触や質感にフ
ァンが多く、途上国ではジュート麻やココヤシなどと
共に工芸品の材料としても使われています。アジアンインテリアに相性が良いです。
・特長
(1)通気性・保温性に優れている。
(2)カーペットなどでも静電気が発生しない。
(3)柔軟で強靭な素材である。
・デメリット
(1)水が頻繁にかかるような場所ではカビが生じる場合がある。
(2)コーヒーなど色のついた液体はしみになりやすい。
(3)濃い色の場合、日焼けによる色落ちがある。
⑤リノリウム…昔の公共建物などに良く使われていましたが、塩化ビニール(製造時間が
短い)の普及により他の建材に変わられました。
近年、天然素材(亜麻仁油・石灰・コルク粉など)から造られていることが見直されて
います。モダンインテリアと相性が良いです。
・特長
(1)亜麻仁油成分により抗菌性がある。
(2)へこみや傷、摩擦に強い。
(3)軽い傷なら表面を削っても目立たない。
(4)静電気が起こりにくい。
(5)適度な柔軟性・クッション性がある。
・デメリット
(1)塩ビなどよりは高価。
(2)特有の油系のにおいがする(施工後、徐々に消える)。
(3)長時間、水分や湿気にさらすと収縮する事がある。
(4)アルカリ成分により黄変することがある。