【コラム】『機会』 自分と向き合う
公開日: : 最終更新日:2020/06/13 コラム
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「機が熟したようだ」
その感覚は突然やってきました。
いや、機が熟す時をずっと待っていたのかもしれません。
もうすぐ26歳になるという3ヵ月前に、私は決心したのでした。
決心のとき
ある人の一言がヨガを仕事にしていこうと、私の背中を押してくれたのでした。
「仕事にしたいと思っているなら少しでも早いほうが良い。新しいことを始めるのに年齢は関係無いと言うけれど、現実は違うよ。40歳で始めたら今まで何をしてきたか、経験を求められることが多い。26歳はまだ若い、これからの未来を人は求めるよ。だから仕事にしたいと少しでも思うなら、今だよ。」20歳の頃から私の髪を担当してくれていた美容師さんは髪を切りながら私に熱く語りかけてくれました。
ほう、若さってこういうことか。
若さについてこれまで考えてみたことは無かったけれど、反対により良い「老い」を考えたときに若さの特権を感じた瞬間でした。美容師さんに後押しされるまでは、どこか若さを否定する私がいたのかもしれません。老いて大人になることで自ずと人は成熟していくもの。言うなれば、時間こそ価値だと思っていました。無責任のような気もします。年をとれば自然と社会的に自立すると思っているのですから。
人の思考の元となる価値観は何によって形づくられるのでしょう?
生まれと育ちも多いに関わってきますが、ひとつ社会人になり未熟ながら大人として認められてから、どの組織や共同体に属するかも関係していると思います。
私の初めての社会生活は国産車の営業でした。特に車が大好きでというわけではなく、ただなんとなく数百万以上する車を売ってみたら面白そうだなと思ったのと、我が家の車がお世話になっていたという浅はかな理由で入社試験を受けてみました。それが結果として採用になったわけですから、やってみるものだなという成功体験にはなりました。
ただし大変なのは入社してからです。車ってなあに?と足し算と引き算を覚える小学1年生のようなところからです。車の仕組みを覚えないことには、車が売れるわけもないので苦労しました。晴れて研修期間が終わり、営業として独り立ちをした矢先にあることが起こりました。
個人のお客様ではなく、とある企業から受注を頂いたのです。企業相手だと勝手が異なるので、新人には難しいだろうと先輩が自分の台数として私の大切な1台をもっていってしまったのです。20歳の私は思いのほか従順なようでした。先輩がそう言っているわけだし、せっかく頑張って受注をした1台だけど仕方あるまい。と理由を見つけながら自分を納得させることにしたのです。本音を言えば、聞く人を間違えたと思いました。私が同じ立場だったら、本人の1台として教えてあげながら進めたのにな・・・と。よく言う、世の中にはいろいろな人がいるという社会の洗礼を受けたようでした。
機会はふいにやってくるもの
このような環境に身を置くと、社会とは縦で出来上がっていて、年功序列制度なんだろうという思いが染みついてくるものです。見方を変えれば、会社組織ではまとまりやすいのでしょうけど。
そんなさなかに出会ったのがヨガでした。この私の悶々とした心の曇り空が、不思議なくらいに澄み切っていく感覚。悩みがあると、ついそのことばかりになってしまい頭から離れなくなり、無限のループから抜け出しにくくなります。しかしヨガと出会い、モノの見方に変化が生まれたのです。後に転職をし、輸入車の営業とブランド販売に携わりながらヨガインストラクターの資格を取得したことは自然な流れだったのかもしれません。
とある休日に空を見上げた瞬間に思ったのです。
「私は今まで環境や人のせいにして生きてきたかもしれない。自分の力で生きていこう。」
そう思ったときに頭に浮かんだことがヨガでした。
この1週間後には資格取得の為に学校へ通い始めるわけですから、心の底から決断をしたときの行動力は不思議なものだと思います。その半年後に会社員を辞めて個人事業主になるなんて到底想像もしていませんでしたし、本当にわからないから面白いのが人生だなと思います。
春夏秋冬と四季があるように、その人その人に人生のサイクルがあり節目があるような気がします。時間はみな平等に与えられ、時は流れていくけれど。流れのなかで、機を待つことは黄金色の稲穂を今か今かと待つことと似ています。1年も半分が過ぎようとしているいま、あなたの稲はどうでしょうか。機会は必ずやってきます。じっくり待つことも、ゆっくりと考えることもときには必要ですよ。
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