【コラム】『浄化』 暮らしの中のヨガ④ 氣の流れをつくる
公開日: : 最終更新日:2020/08/28 コラム
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ヨガをお伝えする身として、いかがなものかと思うときが多少ありますが、私も人間です。
体の不調を訴えるときもあれば、ストレスが溜まることもあれば、疲れることだってあります。そんなときに癒しを与えてあげるのですが、度合いによって使い分けをしています。その究極がオールハンドのオイルマッサージです。
好きな精油の香りに包まれている程良い温度の室内。体の滞りがすっと抜けていくのがわかるエステティシャンさんのなめらかなタッチ。心地良さ故にこくんこくんと睡魔と戦いながら、気づいたら夢の中。目覚めた瞬間にぼうっとして頭が働かない。いや、その後もしばらくは働かない。なんならこのまま眠りについてしまいたい。至福のひとときとはまさにこのことを言うのでしょう。反対に考えると、オイルマッサージを受けたいと思ったときは、なかなか追い込まれている状況だと言うことがわかります(笑)
あるときのオイルマッサージでの出来事です。
胸の真ん中あたりを押され、ものすごく痛みを感じたことがありました。痛くて思わず、うっと声を出すほどです。血流の流れが滞っていて硬く凝り固まっていたようでした。私が押されて痛かったのは「膻中(だんちゅう)」と言い全身の気が良く集まるツボで、過度なストレスを感じると反応が出るようです。思い返せば様々なことが重なった時期で、ヨガをしていても呼吸が浅く入っていかないなと感じていました。
マッサージとともに次第にほぐれていき、呼吸も深くゆったりと押されても痛くないほどに。改めて心の内側は見えないけれど体はちゃんと教えてくれるのだと実感しました。ちなみに、全身には361のツボがあると言われており、膻中は気の病に効くそうです。腑・臓・髄・筋・骨・血・脈・気のそれぞれが集まるツボを八会穴と言い、それぞれに対応する代表のツボを用いると効果があるそうです。膻中はストレスのバロメーターにもなるので、ぜひ読者の皆さまも触ってみて下さい。
話は逸れますが、「気」という漢字が含まれる言葉は数多くあります。
元気、勇気、気遣い、空気など・・・気という言葉は(1)生命力(2)気分・意志(3)場の状況を意味しているそうです。いずれにしれも精神に深い関わりがあります。日本独自の表現ですが当たり前のように用いられる「空気を読む」、大人であれば意味を想像することが可能です。しかし、子どもに説明しようとするとこれが急に難しい。空気って見えないのに、文字もないのに読むってどうすれば良いのという声が聞こえてきそうです。空気を読むは場の空気を読むから起因しているようですが、これは日本における察する文化であり独特なものなのでしょう。コミュニケーション環境を説明する概念として、アメリカの文化人類学者エドワード.T.ホールが唱えた「ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化」という識別法があります。
ここで使われるコンテクストとは言語・共通の知識・体験・価値観・ロジック・嗜好性などのことです。ハイコンテクスト文化とは共有性が高い文化で伝える努力無しでなんとなく伝わる、言わば察する文化のことです。しかし奥ゆかしさがある反面、聞き手の能力ありきで環境に違いがあると、コミュニケーションが滞る可能性もあります。欧米で主流のローコンテクスト文化とは、あくまでも言語でありコンテクストに依存せずにコミュニケーションに必要なスキルをが重要視されます。これからますますグローバル化が進んだときに、ローコンテクスト型のコミュニケーションが必要になってきます。言葉は使い方次第では、相手を喜ばせることも悲しませることも怒らせることもできます。適切な言葉を発し相手と関わっていきたいものです。察して欲しいのはただただ自分本意の考えであって、言いたいことは言葉で伝えることです。心の奥底にしまっておくときっと膻中を押したときに痛くなってしまいます(笑)
気の流れが集まる膻中ですが、ヨガで言うところの第4チャクラにあたります。
ハートチャクラとも言われておりテーマは愛です。チャクラとはサンスクリット語で車輪を意味しており、7つあるのですが精神体の臓器のような役割を果たしています。この7つのチャクラは生命維持に欠かせないエネルギーセンターのような場所です。チャクラのバランスが崩れるとセンターの稼働もうまくいかず、それぞれの場所で不具合を起こしてしまいます。よって前項でお話しした私の乱れはヨガの観点から言うと、第4チャクラが開いていないということになるのです。
このように7つあるチャクラにはテーマと特性があり、ヨガではアサナ(ポーズ)によって、それぞれのチャクラを整えていく面もあります。自分自身の状態を知るときに、様々な観点と方法から診ることが必要だと思います。今抱えている悩みや問題からチャクラの特性を判断し体を診ていくことや、反対に体が不調を起こしている場所から心を診ていき気の流れをつくることなど。「チャクラ」や「エネルギー」や「気」など普段あまり聞き慣れない言葉だと思いますが、いち情報として頭に入れておくことだけでも良いと思います。ドラえもんではないですが、困ったときに必要なタイミングで使えるような秘密道具が入ったポケットを持っておくことです。
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大竹沙紀
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