【コラム】人気の木材
公開日: : コラム
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コラムへの寄稿が今回で8回目を迎え、終盤へと突入してきました。
ここまでお読みになられている方の中には、実際に木を生活に取り入れてみようと興味を持たれている方もいるかもしれません。でも、どのような木の種類があるかわからない!という方のために、人気の木材をピックアップしてみました。
人気の木材の中でも弊社KIJINで特に活用事例が多かった樹種を選んでいます。今回は大きなくくりでまとめてみましたので、木材選びのご参考になれば幸いです。それではさっそく見ていきましょう。
スギ
日本で木材と言って真っ先に名前が上がるのが「スギ」。日本の山に最も多く植林されており、住居だけではなく、生活用具など幅広く使用されてきました。加工のしやすさ、価格のお手頃感、そして入手のしやすさなど、とにかく使い勝手がいいのです。
スギは育ちやすく、大きな断面を取れるため、柱材だけでなく梁材など様々な部分に使われています。幹中心部の心材は水に強いため、浴室の水回りや外壁にも使われたり、幹外側の辺材は家具などの生活用具として使われます。落ち着いた暖かい雰囲気を持つため、床・壁・天井どこにでも使用でき、肌触りが特に良いので、フローリングにも最適です。
弊社KIJINでもTOPpingBoardなど、多くの製品にスギを使用しています。クセが少なく誰にでも受け入れてもらえるような、万能タイプの木材です。
上の写真のように1枚板のスギも柔らかい雰囲気と清潔感のある色味で部屋の印象が柔らかくなります。
ナラ(オーク)
ナラ(オーク)を日本人にもわかりやすく説明すると「どんぐりの木」のことです。
世界的な銘木で「木の王様」や「森の王様」とも言われます。耐久性に優れているため、大型家具に用いられることが多く、また床材としても人気です。日本やロシアで採れる木をナラ、北米で採れる木をオークと言うのだとか。ウィスキーの樽としても使われているように、耐水性にも優れているので、台所周りのアイテムとして使われることも多い木材です。タモ材と似ているのですが、ナラ特有の虎斑(トラフ)という模様が人気の理由のひとつとなっています。ナラ独自の繊維構造から「曲木と言えばナラ」と言われるほどで、重厚で硬く反りが生じにくく、長く使い続けたい家具を作るのであればオススメです。
最初は明るいナチュラルブラウンですが、時間をかけてゆっくりと落ち着いた褐色に変化するので、経年変化を楽しみたい方にもオススメです。近年では需要が拡大し希少価値が急速に高まっています。
ウォールナット
世界三大銘木のひとつで、「家具材のロールスロイス」とも言われるウォールナット。濃いブラウンから黒に近いブラウンまで、チョコレートのような色が印象的なウォールナット。西洋では富の象徴とされていたこともあるほどの高級木材で、今でも根強い人気があります。
反りや曲がりが少なく、狂いが生じにくいことから、ピアノ、バイオリン、ハープなど楽器用の木材としてもよく使われます。また、加工する際の切断面は綺麗で、光沢もあり上品で美しい仕上がりになるため、アメリカ大統領の演説台や最高裁判所のベンチ、ミラノ大聖堂の家具など、格式高い施設にも使われることでも有名な木材です。
ヴィンテージやレトロなお部屋との相性も良く、高級感を演出したい時にオススメの木材です。小さめの装飾品やインテリア雑貨より、テーブルなどの大きめの家具に使うと深い色味や艶がより映え、存在感のある印象を与えます。
チェリー
近年ますます人気を高めつつあるチェリー材。特にブラックチェリーは現在とても入手困難になった、
高級マホガニー種の性質と雰囲気が似ているため、代替えされることが多くなってきています。チェリー材は加工後比較的すぐに色が濃くなる性質を持っており、光に対してよく反応するので、マスキングテープや型紙を使って一時的にメッセージやアートを描くこともできます。
消費者にとっても人気のチェリー材ですが、木工職人にも人気で、木材の密度が高く肌目も均一なためとても加工しやすいようです。
チェリー材は前述した通り経年変化も存分に楽しめる木材です。写真の左がタンブラー作成直後、右が2年経過した際の色味です。このように時間が経つと雰囲気も徐々に変化していくので、「使い込むほど風合いを増す」最高の木材と称されており、飽きの来ない木材となっています。
クリ
クリ材は腐りにくい有用材で、防腐処理をしなくても土台などに使えるほど。青森県の三内丸山遺跡かららも1m近いクリ材の柱が出土しています。特に湿気や水に強いのが特徴で、昔は線路の枕木や電柱にも使われていました。
特に耐久性には優れており、国産材の中では最高の耐久性を持つと言われています。テーブルやカウンターの天板として利用された際には漆などで仕上げると木目がはっきりし、美しい仕上がりになるのでとても人気があります。
強く耐久性がある一方で、自然と和の雰囲気を醸し出してくれるクリの木。
柔らかな風合いで和テイストの空間にはぴったりです。
まだまだある人気の木材
今回のコラムでは細く紹介しきれませんが、人気の木材はまだまだあります。
木肌に光沢があり、清潔で独特の芳香を持つヒノキ。
強靭かつ狂いが少ない性質を持ち、格調の高さを感じさせるケヤキ。
国産の地域ブランド材で人気な秋田杉、木曽ヒノキなどその地域でしか取れない品種もあります。木材の種類は細かく分けると250種類以上も存在し、さらに地域などまで絞るとさらに多くなるのです。また、その種類ごとに色や木目もひとつひとつ違い、個性があります。同じ木材は2つとして存在せず、人との出会いの様にまさに一期一会。そこに木材選びの醍醐味があるのかもしれません。
次回のコラムでは人気の木材を踏まえた上で、木材を選ぶ際のポイントを探っていきたいと思います。
次回もお楽しみに!
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