【コラム】「照明プランを自分で設計する方法」をご紹介①シンフォニーライティング(適材適光)全体の考え方
公開日: : 最終更新日:2020/06/01 コラム
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私は、6年前までPanasonicのショールームで照明電気設備担当のアドバイザーを勤めておりました。
建築の大学に通っていたにも関わらず、照明についてはじめて考えたのは、社会人になってからでした。それまでは「気にも留めていなかった」というのが正直なところです。建築図面こそ読めましたが、照明のことはさっぱりわからず。
4年間、必死にお客様と図面に向き合い、丁寧な研修と毎日のご案内で、照明プランが提案できるようになりました。
照明プランには「正解」はありません。
奥様にとってはまぶしい明るさが、旦那様にはちょうどいい。「ダウンライトは埋め込まれてすっきりするから好き」というお客様と、「天井に穴を開けたくないから、ダウンライトは使いたくない」という設計士の方。
「感覚」と「好み」の世界なのです。
ですので、「正解はない」を前提に、私が4年間、お客様と接した経験と、自分自身が日々生活する中で感じることから、
「こんな風に考えたら、暮らしが変わるような照明プランになるのではないかな。」
というプランの考え方をお伝えします。
それが、Panasonicが提唱する「シンフォニーライティング(適材適光)」です。
SYMPHONY LIGHTING シンフォニーライティング
くらしの、その場、その時に快適なあかりがある。
いくつものあかりを組み合わせ、 いつでも心地よいあかりの空間を実現できる。
家族それぞれのくらしと響き合うあかりの灯し方があります。
Panasonic「SYMPHONYIGHTING」HPより
https://sumai.panasonic.jp/lighting/symphony/index.html
「一室に一灯」で「部屋をまんべんなく明るくする」ではなく、
「適材適光」で「必要なところを必要なだけ明るくしましょうね」
ということです。
「電気がつく」か「電気が消える」かだけではなく
「部屋全体をしっかり明るく」
「リビングだけ少し明かりを灯してくつろぐ」
「映画館のようにテレビのまわりだけ少し明かりを灯す」
生活シーンに合わせて、照明を切り替えて快適に過ごしましょう
という考え方です。こういう考え方で、Panasonicのアドバイザーはプランを設計しているんですね。
それを、数回にわたって、こちらのシンプルな一戸建て住宅をまるごとプランニングしていきながら、解説していきたいと思います。
今回は「リビング・ダイニング・キッチン」をプランしながら、「照明プランを設計する方法」を理解していきましょう!
まず、従来の照明プランはどのようなものだったかのか見てみましょう。
このように、「リビングに1つ、ダイニングに1つ、キッチンに1つ」と、1部屋やゾーンごとに大きな照明を取り付けて、まんべんなく明るくするというのが主流でした。
このようなプランでも、生活に不便はありません。
ですが、「いつでも、どんな場面でも、同じ明るさ」にしかなりません。
でも、「リビングで子供が遊ぶ」「本を読む」「ダイニングでご飯を食べる」など、
「本当に明るさが必要な場所」は限られています。
ダイニングからキッチンへの通路で、本を読んだりしないですよね?
その考え方で、改めて図面を見てみましょう。
「リビングの中心、ダイニングテーブル、キッチン全体、パソコン机の上、収納の前」と意外と狭い範囲であることがわかります。
そして、前回「照明器具の選び方」でお伝えした「照明器具の種類」を思い出してみます。
この8種類から、それぞれの箇所に当てはめていきます。
ダイニングに、ペンダントライトをつけたいのであれば、隣接するキッチンはダウンライトですっきりする。
このように、全体のバランスを考えることが、おしゃれな部屋を作るポイントです。
必要な場所への配置が終わったら、「光が届かないところ」に補助的な明かりを配置していきます。
視界に入る壁が暗いと、空間そのものが暗く感じられるので注意します。
実際に生活してからは、天井ではなく、照明器具のデザインや壁が視界に入るので、それを意識すると美しく仕上がります。
また、1つの部屋の中にたくさんの照明がついていても、ごちゃごちゃするので、
「むやみに増やさない、器具を見せずに隠す」というのもポイントです。
そのほか、以下のようなことに気を付けてプランニングしています。
できあがったプランのイメージ写真がこちらです。
ダイニングテーブルの上に下げたペンダントライトがお部屋の主役です。そのかわり、キッチンはダウンライトですっきりと。
リビングの、全体の明るさは間接照明でとり、テーブル上にダウンライトで強い明かりを落としています。
休日の夜は、テレビ背面の間接照明のみを点灯し、おうち映画館に。(テレビと壁との明るさを近づけると目にも優しいです。)
リビング入口の飾り棚を照らし、空間のアクセントにしています。
パソコンスペースを使うときは、スポットライトをつければ、しっかりと明るく作業もしやすいです。
みためもすっきりと、メリハリのあるプランになったかと思います。
そして、「シンフォニーライティング(適材適光)」のもうひとつのメリットが、
「生活シーンに合わせた明かりの切替え」です。
このように、「だんらん・食事・くつろぎ・シアター」など、生活シーンに合わせて、点灯する照明器具や明るさを変えて、演出することができます。
同じ部屋なのに、まったく別の空間のようですよね。
ちなみに、省エネの観点でもお得です。
LEDなので全灯しても200W程度ですが、食事の時、ダイニングペンダント(4.4W×3)とテレビ背面の間接照明(44W)のみ点灯すれば、57.2Wのみ。このように様々な観点から、Panasonicは、適材適光を推奨し、私もそれを皆さまにおすすめしたいと考えています。
今回は、照明プランの全体の考え方をご紹介しました。
次回は、リビングのプランニング方法についてお話します。
ダイニング、キッチン、寝室、廊下、玄関、トイレ、外回りと順番にご紹介していきますので、最後まで読んでいただければ、自分でプラン作成ができてしまうかも!
次回もぜひご覧ください。
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細谷友美
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