工務店 経営 積水ハウス、工務店への技術提供の狙いは?
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最終更新日:2023/09/26
工務店 経営, 社会
関東大震災から、9月1日で100年の節目を迎えるあたり、積水ハウスが地域の工務店と独自の耐震技術を共有する事業を開始しましたね。
Facebookの建築関係の人たちの間でもちょっと話題になっていました。
日経の記事によると、仲井嘉浩社長は「事業としては非常に薄利」としながらも、南海トラフ地震などを念頭に「良質な住宅ストックの形成は喫緊の課題だ」と話し、戸建て住宅メーカー大手としての責任を強調しています。
全国の地域工務店と木造戸建て住宅の建設を分担する「SI(エス・アイ)事業」は、子会社の積水ハウス建設が基礎や構造物の躯体(くたい)を施工し、建物の基礎と柱を専用の金物で結びつけることで、耐震性を高める技術を活用するものです。
現在、基礎や躯体の建設には人件費がかさみ、コンクリートなど資材価格の高騰のあおりも受ける。そんな中で「利益が目的で始めたわけではない」という事業を展開するのは、国内の住宅の耐震性不足に危機感を覚えているためだそうです。
国交省の調査によると国内の戸建て住宅2920万戸のうち、17%にあたる500万戸が耐震基準を満たしていない「耐震性不足」であることを示しており、仲井社長いわく「非常にショッキング。南海トラフ地震もいつ起こるか分からず、良質な住宅ストックの 形成は喫緊の課題だ」と話しています。
国土交通省によると2022年の新設住宅着工戸数は約86万戸。足元では微増だが、20年前と比較すると25%減少した。30年までは年間80万戸近くが続くものの、「30年以降はおそらく大きく減っていく」と見る。
長期的に市場の縮小が避けられないなかで、課題は収益性の向上だ。今後、耐震性や省エネ性能などの技術を高めていくほど、「極端に言えば、新築住宅はいらなくなる」というジレンマが待ち構える。
建て替え需要が加速するためだ。それでも「積水ハウスはリーディングカンパニーにならなければいけない。新築がいらなくなるまで、新築の技術を追求する」と強調したとのことです。
ただ、本当に日本における住宅の耐震性を心配するなら、新築ではなく既存住宅の耐震リフォームに関する技術を追求した方が良いのではないでしょうか。
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