工務店 経営 住団連の調査発表について
皆さんこんにちは。
一社)コミュニティービルダー協会の浄法寺です。
先日の中秋の名月はご覧になりましたか?
先日住団連(住宅生産団体連合会)から
「2021年度 戸建注文住宅の顧客実態調査」報告
が上がっていたので気になった点などレビューします。
年に1回行われるこの調査ですが
まず、どんな特徴があるのかというと
1.2000 年度から毎年1 回実施する本調査は、主要都市圏における戸建注文住宅の顧客実態を体系的に調査・分析するものであり、経年変化も把握できる(今年は22 回目の調査となる)。
2.調査票の記入は、顧客ではなく住宅メーカーの営業担当者が行う。
3.住宅敷地の取得状況別など、住宅属性や世帯属性を明らかにする。
4.古屋を解体して新築した場合における従前住宅の築年数を属性別に分析する。
5.住宅取得価格(建築費+土地代)と住宅取得資金(自己資金+贈与+借入金)を分析する。
6.住宅減税、住宅消費税、住宅性能、住環境、最新設備・建材・技術に関する顧客意識・行動を営業面から把握する。
という点があります。
普通は施主側にアンケートを取るのですが
この調査は営業担当者側にアンケートを取ります。
そのほうが素人である施主が
「どうだったけかな~」
みたいな回答をしないようにしたいんでしょうね。
要点として発表されているのだけでも12項目もありますので
私の目を引いたところだけ取り上げます。
1.世帯主年齢の平均は、今年度39.9 歳と、昨年度より0.3 歳上昇した。例年どおり30 歳代の割合が高い。「親と子世帯」が54.2%を占める。
「えっ、「嘘!」と思いますよね。私たちが運営しているサイトでもこんなに年齢層高くないですし、業界内で聞いているところでも30代そこそこくらいです。
グラフをよく見てみると
なんのことはない、やはり一番多いのは「30~34歳」なんですよね。
2番めに「35~39歳」
3番めに「25~29歳」と「40~44歳」
4番目に「60歳代」
どうでしょうか?
だいたい予想通りじゃないですか?
全部ならしてはじめてと「39.9歳」なんですよね。
本当に統計のマジックで、こういう場合
平均値より中央値が重要だなと思います。
2.平均建築費(3,816 万円)は昨年度より上昇し、土地代を加えた住宅取得費(5,783 万円)も上昇した。用地取得方法別にみると「買い替え」は建築費が上昇し土地代が低下、「従前住宅の敷地」は建築費が低下し土地代が上昇、「土地購入・新築」は建築費が低下し土地代が上昇した。
→この平均建築費3,816万円、土地含み建築費5,783万円というのも、平均ではなく一番多い層はもっと下になると思います。無料版で見られる範囲ではそのへんのグラフが出ていなかったので何とも言えませんが…。
3.建築費の1㎡単価は30.6 万円で、昨年度から0.5 万円上昇した。
→昨年時点での坪単価換算で1万5000円強上がっているということですよね。これはもっと上がっている気がします。ここ2年で5万円くらいはあがっているのではないでしょうか。ますます新築を建てられる人が減っていくのでしょうね。
4.住宅取得費の世帯年収倍率(6.4 倍)は、昨年度から0.3 ポイント上昇した。
→グラフを見ると金利が低いので倍率も高いままですが、借入金(ローン)の倍率が上がってきているのはどういうことでしょうか。ローン金利が極端に落ちていないことを考えると、おそらく使える自己資金が減ってきているということ。コロナでライフスタイルも変わってきてますから、なにかあったとき用にとっておいている人が多いのかもしれません。
5.住宅ローンの金利タイプは、「変動金利」の割合が増加する反面、「全期間固定金利」と「固定金利期間選択型」が低下した。
→変動金利型が圧倒していますね。これだけ金利が低いと固定でも良い気がしますが、一次取得者が多いですから、土地も含めて予算を考えるとが少しでも金利を安くということなんでしょうね。
6.贈与金は昨年度より増加し平均1,538 万円となり、贈与ありの割合も17.5%で昨年度より高くなっている。
→17.5%と聞いて「なんだ2割以下か~」と感じても良いですが、これも平均値マジックで35~40歳の世帯主では4人に1人が贈与を受けているわけです。対策なしでよい数字ではないですよね。
7.要点になぜか入っていなかった「初回接触から契約までの期間」。
→これってすごく大事な数字ですよね。逆に言えば「すぐに建てないよ」と言っていたお客様が、この期間放っておいたら他で契約している可能性があるということですから。
なんと2ヶ月未満が49.2%です。半分のお客様が商談が始まってから2ヶ月以内で契約しているということです。もちろん分譲などもありますから少し差し引く必要があるかも知れませんが、私が耳にしているところでも、大体このくらいです。それは大手のハウスメーカーでも地域の工務店さんでも変わりません。
最後に
こういった数字というのは、過去を振り返るためのものでなくて
これからどうするのか?
を考えるために役立てて貰えれば幸いです。
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