改正国有林法について
関東も梅雨入りして激しい雨がふりはじめましたね。
暦は「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」になっています。
この季節になると枯れた草も水際だと暖かさで腐ったりするわけですが、そこに成虫になった蛍がとまって光を放つようすです。風流ですね。
ところ皆さんご存知でしょうか?
先日発表された「改正国有林法」です。
概要は以下の通り
(法案の概要)
1国有林の一定の区域において、一定の期間、安定的に樹木を採取(伐採)できる権利を、民有林材の供給を圧迫しないよう、木材需要の拡大を行う川中・川下事業者との連携を条件としつつ、意欲と能力のある林業経営者に設定できるようにする。
2その際、国有林野の公益的機能の維持増進等を図るため、権利を設定された者(権利者)は、5年ごとに、樹木の採取の具体的な条件等について、現行の国有林の伐採のルール(箇所毎の皆伐上限面積、保残帯の設置等)に適合した契約を国と締結する。
加えて、国は、権利者に樹木採取と再造林を一体的に行うよう申し入れることとし、再造林が適切に行われるようにする。
3権利者が実施契約に係る重大な違反行為を行ったとき等の場合は、国は樹木採取権を取り消す。
ということですが、毎日新聞が強力にこの法案について何度か取り上げています。(他の新聞はそうでもないので何かあるのかもしれませんが…)
「全国の国有林を最長50年間、大規模に伐採・販売する権利を民間業者に与える改正国有林野管理経営法が、5日の参院本会議で、自民、公明両党や国民民主党、日本維新の会などの賛成多数で可決・成立した。立憲民主、共産両党などは反対した。安倍政権は国有林伐採を民間に大きく開放して林業の成長産業化を掲げるが、植え直し(再造林)の失敗による森林の荒廃や、中小業者が淘汰(とうた)される懸念を残したまま、改正法は来年4月に施行される。(後略)
となっており、
ネットの反応は脊髄反射的に
こんな感じで
「森林破壊だ!」
「国民の知らぬ間に採決だ」
※2月の時点で閣議決定されてるニュースが流れてましたけどね。
「土砂災害を誘発するんじゃないか!」
等の声が上がっていました。
たぶん、法案の概要を見てないんでしょうね。
それと、現在の林業状況をご存じない。僕も完璧に把握しているわけではないのですが、国産材が売れず、林業が成り立たず、山が荒れ始めているということは知っています。
なぜ山が荒れるかというと、植林というのは始めは沢山植えて、そのあと間引きをして生命力のある太い木を残していくんですが、お金がないとこの「間引き」などの作業が出来なくなります。そうすると「森の砂漠化」がおきます。
こうなると陽が入らないので下草も苔も生えずいわゆる「山の涵水(保水)」機能はなくなって土砂災害を引き起こす原因になってしまいます。
だからある程度は手を入れる必要があります。
だから国としては国有林に手を入れたい(今回の伐採もその一つ)のですが、なかなか山の中に入っていって1本1本手作業できょうはこっち、明日はこっちですとコストが上がってしまい、結局は木材の値段があがります。
そうするとまた売れないので振り出しにもどってしまいます。
だからこその今回の最長50年の伐採権なのだと思います。
もちろん、再造林の義務付けがないのか、という意見もありますが、伐採能力はあっても再造林のノウハウを持たない業者もあるでしょうから含みを残しているのではないでしょうか。
いずれにしても、基本的には概要の2にあるように「国有林の伐採のルール」に従わなければならいわけで、そうそう悪徳業者が無茶できるわけではありません。
今回の法案で少しでも荒れていく山を減っていくことを願ってやみません。
工務店の皆さん、是非国産材を使いましょう!
記事 コミュニティビルダー協会代表理事 浄法寺
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