今年の森林・林業白書について
お盆が明けたら、急に風が涼しくなって過ごしやすくなりましたね。
現場の職人さんたちや家族の皆さんもほっと一息ではないでしょうか。
本当に7月中旬からの暑さはちょっと異常でしたが、最近は残暑も
厳しいですから(ちなみに残暑というのは立秋から使うんだそうです)、
気を緩めず熱中症対策したいです。
さて、こうも暑くなる前6月にひっそりと林野庁から
「森林・林業白書」
が出ていました。
どのくらい目立たないかというとグーグルでニュース検索しても
6つくらいの新聞記事しか出ません。ちょっと寂しいですね。
ちなみに防衛白書なんか30個くらい記事になってます。
内容は多岐にわたりますが、建築関連で参考になりそうなところを
ピックアップしてみました。
1.世界の木材需給の動向
・北米、ヨーロッパでは針葉樹製材が軒並み増加
・ロシアでは過去最高を更新
・中国は16年連続で輸入で世界一位
2.日本の木材需給の動向
・木材自給率は6年連続で上昇し34.8%
・伸び率では燃料材が前年比59%増
・木材輸入量も微増
3.木材の輸出について
・中国で今年の8月に日本の杉、檜、カラマツを構造材として規定するとともに木造軸組構法を位置づけ。設計施工の輸出が増えそう
・木材輸出額5年連続で増加。前年比37%増
4.その他動向
・プレカット加工業では、木造軸組構法におけるプレカット材利用率が92%まで拡大し、施工時に使用される木材の選択に重要な役割。工場は大規模化の傾向。
・集成材製造業では、国産材を原料とした集成材が徐々に増加しているものの、輸入製品を含む供給量全体に占める割合は15%。工場は大規模化の傾向。
…前に聞いた話ですが、外国の集成材用の木材と同じ価格で国内産材を集めると質が悪くなるので使えないんだそうです。
ただ、外国産材の価格が上がっているので転換が起きはじめているんだそうです。
・CLT(直交集成板)を用いた中高層建築物等の木造化に期待。CLTの利用と普及に向け、 CLTを用いた建築への支援、生産体制の整備等に加え、需要の一層の拡大に向けた取組を 実施。木質耐火部材や、地域材を活用した横架材等の開発・普及も進展。
5.建築分野における木材利用
・我が国における木材需要の約4割、国産材需要の半数が建築用材。新設住宅着工戸数の約半分は木造。住宅向け建築用材の需要が、特に国産材の需要にとって重要。
・関係事業者が連携した地域で流通する木材を利用した家づくり(「顔の見える木材での家づくり」)を推進。
・低層住宅分野の需要減退が見込まれる中、中高層及び非住宅分野の木造化や内外装の木質化を進め、新たな国産材需要を創出することが重要。非住宅分野における木材利用の拡大に向けたシンボル性の高い取組として「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会」 における木材利用を推進。設計者等の人材の育成も支援。
…新設住宅着工戸数というのはおそらく賃貸住宅も含まれているから半分程度なんだと思います。だた、これから地域の建築会社さんは単なるローコストでは勝負できなくなってくるのは見えてますよね。大手の飯田さんとかアイダさんには敵わないです。やはり地域で流通する木材を地元の人たちと家づくりをしていくことが大切ではないでしょうか。誰だって家を建てるときには地元のものがいいとは思ってますよ。でも勧める人は少ないですよね。ここを変えれば、ローコストのたたきあいみたいな仕事から脱却できるのではないでしょうか。
6.公共建築物等における木材利用
・公共建築物等木材利用促進法に基づき公共建築物等における木材の利用を促進。平成29 (2017)年6月に同法に基づく基本方針を変更。
3階建ての学校等の木造化の促進、CLTや 木質耐火部材等の新たな木質部材の活用に積極的に取り組むことなどを規定。
・地盤改良用の木杭やコンクリート型かた枠わく用合板など土木分野における木材利用を推進。
・低層の公共建築物では民間事業者が整備するものが全体の6割以上、うち約9割が医療・福祉施設であり、これらの木造化・木質化を推進するための取組が必要。
…私の知っている建築会社さんでも最近は保育園や高齢者施設や民間の医院の仕事が増えていると聞いています。
そこの園児の親から今度は住宅の相談がきたりと、とても良い仕事の循環ができているそうです。
地盤改良にしても、六価クロムの可能性があって産廃の費用負担になるコンクリートの柱状改良よりも木杭が見直されていますよね。
7.消費者等における木材利用の普及
・一般消費者を対象に木材利用の意義を普及啓発する「木づかい運動」を展開。
・「ウッドデザイン賞」では、木の良さや価値を再発見させる製品や取組について、特に優れたものを消費者目線で評価、表彰。平成29(2017)年度は250点が受賞。
・子どもから大人までが木の良さや利用の意義を学ぶ「木育」を推進。ワークショップ等を通じた実践的な活動や、関係者間のネットワーク構築の取組等が全国で展開。
…私達の運営する住宅サイト「ハウジングバザール」でも『木づかい運動』を応援していますが、一般の認知度は残念ながらほとんどないですよね。それに比べると『ウッドデザイン賞』は大きな会社も受賞していて宣伝材料として使われているので認知度が高くなっていると思います。なにより地域の建築会社さんの行っている「木育」のワークショップが広がりを見せているのは素晴しいです。私も以前、島根の材料で組み立て家具を作る「組手什(くでじゅう)」さんとイオンモールでイベントをしたことがありますが、けっこう子どもたちにも親御さんにも喜んでもらいました。こういった小さなふれ合いを増やすことが大切ですよね。
まとめ
国も国産材の利用を推し進めています。実際のところ、外材で出来た集成材と杉のKD特一等材は今そんなに金額差はないですよ。
ぜひ地域の建築会社の皆さん、国産材・地域材で地元を盛り上げて施主さん家族に喜んでもらいましょう!
記事 コミュニティビルダー協会代表 浄法寺亘
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