最近の建築関連のニュースから 平成29年度の建築士学科試験の総評(総合資格学院)
平成29年度の建築士学科試験の総評
…昔よりも確実に難しくなっているみたいですよね。
よく「今、受験したらおれ受からないよ」という冗談がありますけど
意外と本気の人が多いです(笑)。
ということで総合資格院さんのサイトから総評を見やすく抜き出してみました。
一級建築士についての内容です。
学科Ⅰ(計画)
建築史・作品関連・都市計画の事例問題が計7問に増加
職業倫理1問、建築計画8問(うち数値に関する問題5問)
都市計画3問(うち「都市空間についての著書」1問
「都市計画・都市デザイン」1問、都市関連法令1問)
建築史・作品5問
建築積算1問
建築士法・建設業法関連1問
マネジメント1問
が出題。
例年に比べると、
建築計画の問題が減少
建築作品関連問題と都市計画関連問題が増加
防災計画・災害に関する問題が出題
No.14で「大規模で高層の事務所ビルの防災計画」に関する問題が出題
No.15では「災害に関連した建築物等の整備」に関する問題が出題
いずれも、国の重点施策である災害対策を強く意識した出題
医療・福祉等の用語では、新傾向問題が多数出題
No.16の医療・福祉等の用語に関する問題では、
選択肢2「急性期リハビリテーション」
選択肢3「放課後等デイサービス事業所」
選択肢4「日本版CCRC」
などが少子高齢化社会にも関連する新傾向の問題として初めて出題。
建築積算は平成28年度に引き続き図を使った問題が出題
No.19の建築積算では平成28年度に続き平成29年度も図を使った問題が出題
【学科Ⅱ(環境・設備)】
各分野の出題数は例年通り
環境工学10 問(うち図解問題1問)、建築設備10 問が出題
環境工学は過去問から刷新された記述が多数出題
No.7-3(基準昼光率)やNo.9-2(空気中の音の伝搬)等のように、正答肢は標準的な難易度
過去問から表現や出題のポイントを大幅に変えている記述が多数。
全体的に記述が刷新されているものが多かった
⇒過去問の記述を丸暗記しているだけでは正答肢を導き出すことが難しい。
建築設備はより実務的な側面や新しい知識が問われた
No.5-2(吸引型の機械排煙方式)やNo.12-1(熱負荷計算法)
⇒実務で使用する知識が正しい記述として出題される傾向。
No.20-1(ZEH)では、経済産業省等が推し進めるZEB・ZEHの普及に関する新しい知識が問われた。
【学科Ⅲ(法規)】
各分野の出題数は例年通り
建築基準法20問、関係法令10問が出題。
“建築士法”は、単独問題として4問、融合問題として1問(2肢)の計5問が出題
内訳は、単独問題(No.21 No.22 No.23 No.28)、融合問題(No.30-2、4)。
直近の法改正に関する出題
No.21-4「建築士免許証の書換え交付」
⇒建築士法から平成27年の改正事項が出題。
No.27-4では、平成28年に新たに制定された
「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」から出題
No.30-3では、平成28年に法改正された「定期報告」から
具体的な建物用途・規模で出題されました。
「出題のされ方」に特徴がある問題
No.12「木造住宅の軸組最小長さ」を求める図解問題が出題。
令第46条の図解計算問題は、これまで2級建築士学科試験で
たびたび出題されてきた項目だが、
今回1級建築士学科試験では初めて出題。
No.16「容積率・建蔽率」については、4年ぶりに
図解計算問題ではなく、文章題として出題。
No.26「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」が、
平成26年に出題されて以来、3 年ぶりに単独の問題。
本年度の1級建築士設計製図試験課題の
「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に規定する特別特定建築物の計画」
に関連するものであり、また正答肢は、課題名「小規模なリゾートホテル」に類する項目。
「高さ制限」は正しい手順で確実に解ける問題
No.17「高さ制限」
⇒前面道路については昨年と同様に2方向道路であり、前面道路幅員が12m以上の場合の
指定容積率のみで適用距離を確認する問題。
【学科Ⅳ(構造)】
各分野における出題数は、ほぼ例年通り
構造力学6問、各種構造21問、建築材料3問が出題。
構造力学
梁付き柱の座屈の計算問題が10年ぶりに出題され、
毎年様々なパターンで出題されていた不静定構造物は出題なし。
各種構造
No.7(構造設計の基礎)は、振動特性係数Rtの表における地盤種別と
その固有周期との関係を正しくおさえている必要あり。
No.17は長周期地震動対策に有効な制振構造で、1問出題。
No.23-3は、CFT構造の塑性変形性能だけでなく耐火性能に関しても押さえておく必要あり。
No.30-1は、住宅性能表示制度に関する問題が3年ぶりに出題。
平成28年に既存住宅に関わる部分に関して法改正があった影響か。
建築材料
No.27で出題されたLVL(単板積層材)やCLT(直交集成板)は、
近年注目されている材料。
正解するためにはその特徴をおさえている必要あり。
【学科Ⅴ(施工)】
各分野の出題数は例年通り
施工計画・工事管理で4問、各部工事で20問、請負契約で1問が出題。
監理業務に関する選択肢の増加
理業務に関する内容が
No.1で4肢
No.25で2肢
の合計6肢出題。
平成28年度の2肢より大幅に増加。
平成21年に新試験に移行してから、
学科Ⅰ(計画)などで「監理業務」が重要視されてきたが、
本年度は学科Ⅴ(施工)においてもこの傾向が顕著。
近年の改正部分からの出題
近年の改正部分からは、
No.3-3 施工体制台帳の作成[平成27年施行]
No.3-4 専任とする監理技術者の要件[平成28年施行]
No.5-3 足場の作業床に関する墜落防止措置[平成27年施行]
が出題。
数値に関する正答肢が大幅に増加
数値に関する内容が正答肢となっている問題が15問(6割)出題。
昨年の10問(4割)より大幅に増加。
まとめ
全体的に、基礎はしっかりと抑えつつ…
最近の国の施策の流れも忘れちゃだめよ
といったところです。国土強靭化の影響がこんなところにも出てるんですね。
来年受験する人も改めて頑張ってください!
記事 コミュニティビルダー協会理事 浄法寺
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