コミュニティビルダー協会コラム ~木杭の復活~
コミュニティビルダー協会コラム
~木杭の復活~
建設工業新聞WEB版に
『ミサワホーム、飛島建設/大規模宅地の液状化対策でコラボ/丸太打設工法導入』
という記事が掲載されていました。
記事のソースになっているミサワホームのニュースリリースによると
<概要>
○ミサワホームと飛島建設が防災・減災対策で初のコラボレーション
○ セメントや鉄に比べて省エネルギー効果が大きい丸太を使用
○ 大規模な住宅分譲プロジェクトにおいては全国で初の採用
<詳細>
ミサワホーム株式会社(本社 東京都新宿区/代表取締役社長執行役員 竹中宣雄)と飛島建 設株式会社(本社 神奈川県川崎市/代表取締役社長執行役員 伊藤寛治)は、ミサワホームが 企画する大型分譲プロジェクト「(仮称)アルビオコート検見川浜」(千葉県千葉市美浜区真砂 三丁目 14 番 1)において、震災時の地盤液状化リスクを軽減するために、丸太を地中に打設す る「丸太打設液状化対策&カーボンストック(LP-LiC)工法(以下、丸太打設工法)」を採用 した地盤補強工事を行います。
このたび計画している分譲地は、「建物被害予測(液状化)マップ」(発行:千葉市市民局市 民部総合防災課、公表:2009 年 6 月)において、液状化による建物の被害が少ない(4 ランク 中 2 番目)と想定されているエリアに位置しています。今回、住まいと暮らしの安心を支える 防災・減災ソリューションとして「MISAWA-LCP※(ミサワ エルシーピー)」を提唱している ミサワホームと、「防災のトビシマ」として防災土木技術について数々の実績がある飛島建設と が協力し、より安全・安心な住まいを提供するために、全宅地に対し液状化対策を実施します。 飛島建設は、これまでに公園や集会所、戸建住宅での液状化対策工事の実績はありますが、大 規模な住宅分譲プロジェクトとしては今回が初めてとなります。
液状化対策工事において最も実績のあるサンドコンパクションパイル工法は、大型の振動機 を使用するために発生する振動や騒音、大量に搬出される残土などの課題があり、今回のよう な住宅地周辺エリアには適していません。一方、丸太打設工法は、地盤の土質や地下水位を考 慮する必要がありますが、環境負荷も少なくこれらの課題の解消に対応できる点が特長の一つ です。今回の分譲地においては、地盤の土質や地下水位が適していることが事前調査により確 認されたため、丸太打設工法を採用し液状化対策工事を行います。 また、この丸太打設工法は、炭素を地中に貯蔵する液状化対策技術でもあります。樹木は大 気中の CO2 を吸収固定するため、丸太を地盤中に打設することで CO2 を長期間貯蔵すること ができます。この貯蔵炭素量(二酸化炭素換算値)が、工事によって排出される二酸化炭素量 より多くなるため、工事をすること自体が地球温暖化の緩和策となります。 ミサワホームと飛島建設は、今後もそれぞれの事業領域において防災技術を追求し、事業活 動を通じて地球環境への負荷を低減していく考えです。
特 長:
<安 全 ・ 安 心>
・従来の密度増大工法と同様な液状化対策効果を発揮できる。
・信頼性の高い密度増大を対策原理とする。
<地球温暖化緩和>
・炭素を地中に長期間貯蔵することができる。
・丸太を使用するため、省エネルギーである。
<近 隣 へ の 配 慮>
・自然素材を用いるため、地下水汚染などの心配がない。
・丸太を静的圧入するため、低振動・低騒音で建設残土が発生しない。
・大型重機を使用しないため、市街地でも施工できる。
<木 材 の 活 用>
・構造材のような高品質である必要がなく、間伐材利用も可能である。
※今回のものは地元の千葉県産材を中心にすべて国産材を使用したとのことです。
・森林再生、地域林業の活性化に貢献できる。
このニュースを見て、建築関連の人間がまず最初に思い浮かんだのは『松杭』だと思います。
私も実際に見たことはなく、お客様の地盤補強工事の折に会社の上司から
『昔は”松杭”てのがあってなあ…、今はみんな鋼管かコンクリートになっちまったけど。』
と話していたのを聞いて知っていただけなのですが、業界の先輩方では実際に見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
ちなみにWikipediaによると
歴史的には古く、紀元前5000年前とされる杭上住居が確認されており、世界遺産として登録されているものもある(例.アルプス山脈周辺の先史時代の杭上住居群)。
また、5000年とはいかないまでも、ヴェネツィアも木杭を使用した[5] 歴史ある街として有名である。
一般に木材は金属や石材に比べて腐食に弱いイメージがあるが、地下水の水面より下層に埋まっている遺跡から、古代の木製品が比較的良い状態で発掘される例は珍しくない。
これは、木材腐朽菌は好気性であり、生存や活動に酸素を必要とするためである。基礎としての木杭も、適切に使用することにより下記の例に示すように十分な耐久性を発揮する。
○お台場の松杭
江戸時代末期に建造された品川台場だが、現在でもその基礎が現役である(2基現存。史跡)。
○丸ビルの松杭
「理想的な温湿度が確保されたために、驚くほどの鮮度で回収された」とされる。
○吉野川水系の飯尾川第一樋門の松杭
80年を経ても劣化がほとんど見られなかったとされる。
木杭を使用する場合には、地下水面以下の位置に打ち込み、杭が地下水の中に水没している常時湿潤状態を維持することが肝要である。
常時湿潤状態が期待できない場合には、クレオソートの含浸など、防腐処理をすることが望ましい。
なお、上記であげたのは松杭のみであるが、必ずしも松杭が唯一の選択肢というわけではない。
腐りにくさという点で言えば、松以外の材のほうが優れている場合もあるが、木杭は地盤中に打撃によって貫入設置されるものであり、松は他の針葉樹と比較して密度が大きく硬いという施工上の利点があることから、多用されたものと考えられる。
とのことで、確かに木材は水中にあるぶんにはほとんど腐らないはずですね。
以前、私が見た銘木で2000万円越えのものは確か、外国で湖の中に何千年と浸かっていたものでした。
しかも、この木杭(杉中心)の場合、県産材を使って間伐材利用にもなるということで、私としては「この手があったか!」と手を打ちました。
なお環境負荷的に見ても推測値ではありますが
とまあすばらしいです。
どんどん広がっていくとよいですね。
記事 コミュニティビルダー理事 浄法寺
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