工務店 経営 一人親方を守る法律が制定されました
この度、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(以下、法律)が施行されました。
この法律は、フリーランスや事業者間取引の公正を図り、健全なビジネス環境の構築を目指しています。
つまり建築業界での「一人親方」について関わる内容になります。
簡単に言うと一人親方への下請けいじめを防ぐ内容です。
以下、その要点です。
1.法律の対象となる事業者と取引の範囲
特定受託事業者:従業員を抱えず業務委託を受ける事業者(一人親方の会社)
特定受託業務従事者:上記事業者の個人または法人の代表者(一人親方の社長本人)
業務委託の定義:物品の製造、情報成果物の作成、または役務提供の委託(仕事)
特定業務委託事業者:従業員を使用し特定受託事業者に業務を委託する事業者(元請け)
① 特定受託事業者の責めに帰すべき事由なく受領を拒否すること。
② 特定受託事業者の責めに帰すべき事由なく報酬を減額すること
③ 特定受託事業者の責めに帰すべき事由なく返品を行うこと
④ 通常相場に比べ著しく低い報酬の額を不当に定めること
⑤ 正当な理由なく自己の指定する物の購入・役務の利用を強制すること
⑥ 自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること
⑦ 特定受託事業者の責めに帰すべき事由なく内容を変更させ、又はやり直させること
2.取引の適正化に向けた規制 ・業務委託時には、給付内容や報酬額を書面または電磁的方法で明示する必要があります。
・特定受託事業者への報酬支払いは、給付受領日から60日以内(再委託の場合は30日以内)に行うことが義務付けられています。
・不当な受領拒否、報酬減額、返品、低報酬設定、強制購入、利益提供の強要、無理な変更・やり直し要求が禁止されています。
3.特定受託業務従事者の就業環境の整備 ・募集情報は正確かつ最新でなければなりません。
・育児介護との両立支援のため、必要な配慮を行うことが求められます。
・ハラスメントに関する相談体制の整備や、継続的業務委託の中途解除には予告期間が設けられています。
4.違反時の対応 ・公正取引委員会や関係省庁は、助言、指導、報告徴収、立入検査、勧告、公表、命令を行う権限を持ちます。
・命令違反や検査拒否には、50万円以下の罰金が科される可能性があります。
5.国による支援体制 ・国は、特定受託事業者の取引適正化や就業環境整備を支援するため、相談対応などの体制整備に取り組みます。
きちんと罰則や立入検査を設けているのは心強いですね。
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