工務店 経営 積水ハウスの「積水」に隠れた意味は?
長らく日本の住宅のトップメーカーだったといっても
過言ではない積水ハウス。
当たり前のように名前を読んでいますが
この「積水」って何から取ったと思いますか?
ちなみに積水ハウスの母体は
積水化学工業です。
すでに名前に入ってますね。
では積水化学工業の母体は
というと
「日本窒素肥料(にほんちっそひりょう)」
です。
いわゆる水俣病を引き起こしたことで有名です。
なお、ヘーベルハウスの旭化成も
ここから枝分かれした企業です。
その日本窒素肥料が戦前に
朝鮮半島の鴨緑江に世界的に大きいダムを
つくり稼働させていました。
この沢山の水を蓄えて瀧のように流すさまを
示す言葉が中国古典の
「孫子」
の軍形第4篇の一節にあるのです。
いわく
勝者の人を戦わしむるは
積水を千仞の谷に
決するが如きかたちなり
戦いに勝つ人が兵をあやつるさまは
貯まった水を深い谷に
落とすようなものだ。
という意味です。
それで日本窒素肥料では
「積水会」とか「積水寮」
と言った具合に親しまれた言葉
なんですね。
その積水ハウスも始めから
順調だったわけではありません。
むしろ1963年には
累積赤字は1億円となり
グループの「お荷物」と
呼ばれていました。
グループの社長は
「こんなドラ息子の面倒はみていられない!」
といって住宅事業から撤退を宣言したそうです。
つまり廃業です。
しかし、当時積水ハウス産業の専務だった
田鍋健さんが
「今後、住宅の需要は増えます。潰すのはもったいないでしょう。」
と発言。
「だったらお前がやれ!」
ということで社長に就任しました。
田鍋さんも大和ハウスの創業者の石橋さんと同じ
大陸引き上げ組で生死の境をくぐり抜けた人でした。
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社長に就任したものの
会社は赤字も大きく
潰れるのではないかと
社員のモチベーションも低い状態でした。
そこで田鍋さんが行ったのは
1.社名の変更
2.全社員との面談
でした。
当時の社名は「積水ハウス産業」でしたが
産業は何か商社みたいで建設業らしくないし
心機一転する意味でもさっぱりと
「積水ハウス」
と変えました。
そして、次に行ったのが
全社員との面談です。
当時の社員は親会社からの出向が主体でした。
「ここで失敗しても親会社に戻れる」
といった気持ちが目に見えるようです。
これでは会社を立ち直らせることなど
できるわけがありません。
それでひとりひとりに
私はここの船長だ。この船と運命をともにする覚悟だ。
私を信用できないなら、すぐ、積水化学に帰っていい、
私についてくるなら、積水化学に辞表を出し、
退職金をもらってきてほしい。
と話しました。
何人の社員が残ってくれたでしょう。
・
・
・
なんと意気に感じた全社員が残ったのです。
感激した田鍋さんは
うちの会社に労使などという言葉はつくらない。
あるのは「労・労」だ。運命共同体だ。
と言って会社が大きくなっても
出張の時は秘書を連れず、
生涯、1人で出かけていたそうです。
出張に行き、現地の幹部が気を利かせて
スイートの部屋を予約しておいたら、
こんな部屋は要らん!と叱りながら、
支払いは自分で払い、
次の朝「これから、こんな高いのをとるなよ」と、
そっとその幹部に注意をしたのだそうです。
そして常に幹部に言っていたことは
この積水ハウスという会社の船に乗った以上、
皆、仲間である。
たまたま、役割として、社長、役員、部長、所長
となっているのに、長なりの役職に就いたら、
何か自分が偉くなったかのごとく、勘違いする輩がいる。
絶対、威張るなよ!
幹部が部下に求めなくてはならないのは、
服従ではなく仕事の遂行である。
皆が働いてくれるから自分がある。
ありがたい、という感謝の気持ちがなくてはならない。
人間だから、好き嫌いはある。
その感情をそのまま出してはならない。
上司に対し甘言を弄する者が多いが、
そんな人間にはむしろ、警戒すべきだ。
苦言を呈し、問題を提起する人間を重用しなければならない。
ということでした。
積水ハウスが大きな会社になったのは
財閥出身だからではなく
人を大事にして一体となって戦った
からではないでしょうか。
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