映画「ドライブマイカー」
先日映画館で村上春樹原作の映画「ドライブ・マイ・カー」を見てきました。
今年のカンヌ映画祭4部門受賞だそうです。すごいですね。
西島秀俊さん演じる俳優兼劇作家の主人公が、妻を亡くし、その喪失額と向き合うという物語です。
簡単なあらすじとしては
主人公と妻の間には女の子がいたのですが、夭折しています。
それをきっかけに妻はセックスの後、トランス状態のようになって物語を話し出すようになります。
そしてそれを主人公が記憶してふたりで物語として作品にしている。
そんなある日、主人公は、妻が若い俳優と浮気している場面に遭遇してしまいます。
主人公は苦悩します。しかし何も言わず、見ないふりをして過ごします。
そんなある日、妻から話があるので早く帰ってきてほしいと言われます。
遅くに主人公が家に帰ると妻は倒れていて、くも膜下出血で亡くなってしまいました。
そして数年。
主人公は広島で行われる劇に演出家として呼ばれることになりました。
そこで、主人公は仮住まいから仕事場に通う間を運転する女性ドライバーと出会います。
その女性ドライバーは過去に自分の母親との重い秘密を持っており、やがて、その秘密を共有することで主人公は自分が蓋をしていた思い出に向き合うことになります。
また、その劇で妻と浮気をしていた若い俳優と改めて仕事を通してちゃんと向き合うことになります。
3時間ちかい上映時間なんですが、退屈することなく最後まで見ることができました。
今紹介した3人以外にも重要な役どころとして劇の運営に関わる韓国人夫婦が出てきます。
おそらくこの映画のテーマは
「他人の全てを理解することはできない。しかし、それでも愛していけるか。」
ということだと思います。
主人公は自分の車(マイカー:赤いサーブ)をとても大事にしています。
妻との思い出も含めてなので最初はその車を他人に運転(ドライブ)させるということに強い拒否感を示します。しかし、その車の運転を任せられるようになるにしたがって女性ドライバーに少しずつ開いて様子がわかります。
表題にもなっているドライブマイカーですが、おそらくカー(車)は主人公の心・人生のメタファーなんでしょうね。
つらいことや受け入れられない不条理なこと。悲しみ理解できないこと。
そのようなことが人生には必ず起きます。
それでも人生を歩んで行くこと(ドライブ)、を示しているのだと思います。
おまけ
それにしても広島から北海道に車で往復というのはいくら若くてもキツいだろうなぁ(笑)
あと、ラストシーンは蛇足のような気がします。
女性ドライバーへの信頼と主人公の新しい歩み(今までとの決別)を示しているのでしょうけども…
記事 コミュニティービルダー協会 浄法寺亘
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