工務店　SDGｓの落とし込み方

皆さんこんにちは

前回は工務店のSDGｓへの取組事例として

ひだまりほーむさんの紹介をさせて頂きました。

今回は実際に工務店さんが自社におとしこむにはどうしたら良いか

ということにスポットを当ててみたいと思います。

SDGｓの取り組みをためらう工務店さんの本音としては

・どのように目標を設定していいかわからない

・評価方法が不明瞭

・人員が足りてない

といったことがあると思います。

工務店がＳＤＧｓにどう取り組めばいいのかは、

【ＳＤＧコンパス】を参考にして考えるといいと思います。

ＳＤＧコンパスとは、ＳＤＧｓを活用して事業活動を行うための

「企業行動指針」のことです。

国際的ＮＰＯ団体・

ＧＲＩ（グローバル・レポーティング・イニシアティブ）と

国連グローバルコンパクト、

持続可能な開発のための

世界経済人会議（ＷＢＣＳＤ）により共同開発されました。
ＳＤＧコンパスでは、

企業がＳＤＧｓを無理なく取り組めるように、

企業経営に統合することを推奨しています。

そのうえで、次の５つのステップを提示してくれています。

ステップ１．ＳＤＧｓを理解すること

工務店さんがＳＤＧｓに取り組むためには、

まずＳＤＧｓについて社員で理解を深めることが重要です。

完璧に覚える必要はないと思いますが

理解しておきたいポイントは、次の４つです。

１．ＳＤＧｓの概要

２．ＳＤＧｓ策定の背景と経緯

３．ＳＤＧｓを有効活用できる根拠

４．ＳＤＧｓと企業責任の関係性

ＳＤＧｓが何のために策定されたのか。

目標を達成することで、企業にどんなメリットがあるのか。

逆に達成できなければ、企業にとってどんなデメリットが生じるのか。

既存の国際的規範とＳＤＧｓはどう異なるのか。

それによって企業責任がどう変化するのか。

これらを理解しておくことで、工務店がＳＤＧｓに取り組む際に、

実践確度の高い計画が立てやすくなります。

それは、工務店の企業としての価値創造や価値棄損にも繋がる規範的な部分です。

ステップ２．自社にとっての優先課題を決めること

ＳＤＧｓのさまざまな課題の中から、

自社課題と共通するものを選び、

そのうえで自社にとって優先的に解決すべき課題はどれか

を抽出します。

課題と自社の特性を関連付け、

さらに優先順位を付けることで、

社会的課題への取り組み方が見えてきます。

取り組む課題を特定しておけば、

解決に向けての行動が

どのように社会と環境に影響を及ぼすかについて

把握できるようになるからです。

社会的な課題は、地域の経済や社会的な状況によって異なりますから、

バリューチェーン・マッピングを使って定期的に把握と評価を行うようにしましょう。

バリューチェーン・マッピングとは

仕事の流れとSDGsの関わりを表にしたものです。

これはYKK APさんの例です

ステップ３．課題解決の目標を設定すること

課題解決のための行動には、何をもって解決とするか、

その終着点が必要です。

終着点は目標に置き換えることができます。

よって、行動計画には、常に目標を設定することが重要です。

到達すべき目標がない計画は、無駄な労力・コスト排出の原因となってしまいます。

具体的な数値を計画に落とし込むことで、

目標値から逆算して、より実践的な計画や戦略を立案できるようになります。

ＳＤＧｓは、２０３０年を目途に課題解決のための指標が定められています。

従来の目標値設定の手順の中で、ＳＤＧｓの指標を基に計画を立てることにより、

あえて特別な取り組みをせずとも自然な流れの中でＳＤＧｓに取り組むことができると思います。

（続く）

記事　コミュニティービルダー協会　浄法寺亘