コミュニティービルダー協会は
「内閣府beyond2020」の認定および「外務省JAPAN SDGs Action Platform」の紹介団体です。

曳家というお仕事

公開日: : 工務店, 社会

okamoto

実際に曳家工事の見学に行ったときのスナップです。 左が岡本さん 右が私です。

皆さんは「曳家(ひきや)」という仕事を知っていますか?

建築業界に居れば、なんとなくは聞いたことがある、家を平行に移動する仕事でしょ?といったくらいの認識はあると思います。それは間違いではありませんが、実際はプラスアルファの仕事があって、そんなときに使うのか!というのを知ってもらえればと思います。

 

私の知り合いで「曳家岡本」の代表を務める岡本直也さんという方がいます。

 

本を出したり、新聞の取材を受けたり、解体屋ゲンという漫画に出ていたり、建築業界の一部ではとても有名人ですが、あって話すと当たりの柔らかい、絵を愛する朴訥な職人さんです。

 

では「曳家」とは具体的にどんな仕事でしょうか?

段階として3つあります。

1.建物を持ち上げる(ジャッキアップ)

2.建物を移動する(曳く)

3.建物をおろす

okamoto1

1.建物を持ち上げる

建築業界に身をおいている人は分かりますが、家というのはマッチ箱のように全体に平均して荷重が掛かっているわけではありません。つまり、せーのでいっぺんに柱を持ち上げたら荷重がもろにかかるところとそうでないところが出てきます。当然、荷重がたくさんかかるところ(特にホゾなどの接合部)は壊れやすくなりますね。

 

本当はそれを見極めて丁寧にムリなく荷重がかかるように柱一本一本に応じた力で持ち上げる必要があるわけです。ただ持ち上げるというわけにはいかないんですね。そして持ち上げた状態でキープするために枕木をキャンプファイアーのようにくみ上げます。

 

2.建物を移動する

レールに乗せて移動するわけですが、地面というのは平らに見えて本当は平らでありません。家を新築された方なら建てる前の敷地調査で自分の家の敷地内に意外と高低差があることをデータとして知っているかもしれません。また、地面の硬さというのも場所によってまちまちです。それを見極めて建物を移動するときに建物が揺れて構造にダメージを与えないようにしないといけないのです。

 

3.建物をおろす

これは1番の逆になります。枕木がくみ上げてあるところに建物をのせて、その下にある基礎(今ならコンクリート、昔なら石)に少しずつおろしていくのです。当然、荷重がいびつになって構造にムリがかからないように慎重にやらなければなりません。

 

簡単に説明しましたが、伝わりましたでしょうか?

 

実際の依頼としてはこのような3段階の曳家よりも、1番と3番のみのお仕事が多いそうです。どんな時にそのような仕事が発生するかというと

・沈下修正

・耐震リフォーム

・構造の修復

といったときに発生するそうです。

 

・沈下修正、

…これは地震で地盤自体が斜めになって建物の一部が低くなってしまったりしたときに、土台から上を一度持ち上げてが斜めになってしまったり、長い年月のうちにすこしづつ建物が不同沈下(一部が沈んで床が斜めになってしまう状態)した建物を一度持ち上げて、基礎部分や柱などの構造を直し、その後で直した基礎の上に建物を戻すというものです。

 

・耐震リフォーム

…長い年月の経った建物の一部(土台や柱など)が構造として持たなくなってしまっている場合に、その部分を浮かせて新しい部材と取り替えるものです。

 

・構造の修復

…たとえば、家の新築をしている途中で構造が予定と違っていた(柱の長さが違っていた、

など)ことが分かったので修復するとか、解体工事中に他の建物の一部を壊してしまって部分修理をする場合です。

 

 

建物をもちあげる、と簡単に書きましたが、ジャッキを使ってミリ単位で上げていきます。私も見学した時にお手伝いしましたが、建物を痛めないように本当に少しづつ少しづつなのです。ただ、これも皆がこのやりかたで慎重に行うわけでもないのだそうです。東日本大震災当時、液状化のおきた浦安市周辺では複数の業者が入って工事をしていたそうですが、荒っぽい業者もいたそうです。なぜ慎重でない荒っぽい工事をするかといえば、時間をかけない方がたくさん工事をこなして儲かるからですね。

 

ちなみに曳家岡本さんは「舟大工」「宮大工」の流れにいる「曳き大工」と呼ばれる大工系の職人さんです。誇りを持った丁寧な素晴らしい職人さんですので、もし「これは相談した方がよいかも」という時は

工務店さんも

建築士さんも

一般の方も

ぜひ連絡してみてください。
こちらは曳家岡本さんのHPです。

https://www.hikiyaokamoto.com/greeting

 

記事 一社)コミュニティービルダー協会 浄法寺亘

工務店の集客・営業ならジーレックスジャパン →ホームページはこちら

商品の差別化へ!制振装置はこちらから →耐震・制振装置

友達申請お待ちしてます! →代表浄法寺のfacebook

工務店のネット集客ならこちら →工務店情報サイト ハウジングバザール

関連記事

1024px-Keizaisangyosho2

7月第一週の気になったニュースから

2017/07/11 |

コミュニティビルダー協会ブログ 7月第一週の気になったニュースから 工務店さんの役に立ちそうなニ...

記事を読む

lccm_img_12

住友林業のLCCM住宅

2022/04/23 |

皆さんこんにちは コミュニティービルダー協会の浄法寺です。 今日の千葉は気温が2...

記事を読む

orikon

コミュニティビルダー協会コラム ~顧客満足度の高い住宅会社は?

2016/10/27 |

コミュニティビルダー協会コラム ~顧客満足度の高い住宅会社は?~ 今年のオリコン日本顧客...

記事を読む

明英宗

世界史に学ぶ 諦めない心パートⅢ

2017/09/30 |

以前投稿した「世界史に学ぶ 諦めない心パートⅡ」の続きになります。 世界史のトホホな人たちの中...

記事を読む

  • 木の家住宅サイト『ハウジングバザール』

    もし、木の家をつくっていて
    もっと多くのお客様と出会いたい
    という会社さんはぜひ見てください。
    月間PV200万の住環境サイトです。
    掲載のお問合せはこちら↓

  • 協会の著作

    代表理事の浄法寺が書いた住宅営業向けの本です。特にこれからの住宅営業向けに基本的な考え方と流れについて書いています。

  • 協会の著作

    代表理事の浄法寺が「SDGsをどうすれば建築業に活かせるか」を具体的な事例を取り入れながら書いた本になります。

  • 僕たちが応援している【建築会社ができる社会貢献】のひとつのかたちです。

  • 当協会主催の勉強会です。
    せっかくのご縁で知り合えたお客様
    でも「まだ先なんです…」と言われたとき
    どうやって成約まで進めていますか?
    具体的な方法を知る勉強会です。

  • 当協会監修の本です。工務店さんの集客に役立つアイデアがたくさん詰まってます!!

PAGE TOP ↑