長く価値の落ちない家とはー中古住宅について
コミュニティービルダー協会の浄法寺です。
先日の新建ハウジングWEBでの長島修さんの記事(人生100年時代の安心住まい|長く住める価値の落ちない家)が興味深かったのでその記事をもとに書いてみました。
まず「住宅の価値」ってどうやって決まると思いますか?
性能?広さ?構造?
残念ながら日本の場合は「築年数」です。
新築で建てたときの価値が100だとしたら10年で50、25年で0になってしまいます。価値を決めるのはだれでしょう?それは金融機関です。いわゆる担保価値というものですね。その査定も実際に足をはこんで現地調査などまずしないそうです。一定年数がすぎてしまえばゼロになってしまいます。先進国では日本くらいだそうです。
ただ、国も中古住宅の流通を増やすために2018年に住宅診断の説明義務化を決めました。なぜ中古住宅の流通を増やしたいか?
・国民が安全に健康に暮らせるようにする
・国民の資産を増やす。
・空き家対策
といった理由が元だと私は思います。
国民が安全に健康に暮らせるようにするためには、簡単に言って地震に強い家・断熱性能が高い(暑くならない・寒くならない)家である必要があります。しかし、そうなるとすべての家の値段が高くなります。新築で買えない層が出ますね。その人たちは中古住宅を買って断熱リフォームなどして住んでね、ということです。
次に国民の資産を増やす、ということですが、例えば日本の場合新築で建てて大体26年で壊してまた新築というサイクルが一般的です。仮に親が2500万円かけて新築を建てて、子どもが大人になってまた同じくらいのお金プラス解体比をかけて新築し、孫の代でもまた同じことが繰り返されます。とすると、3世代で8000万円くらい使うわけです。これが仮に親が3000万円の100年もつ家を建てたとしたら、子どもが大人になってもリフォーム500万円程度、孫世代でリフォーム500万円だったらどうでしょう。家にかかっているお金は4000万円です。つまり住まいという固定費が少なくて住むわけですから、相対的に4000万円の資産が増えるわけですね。ちなみに西欧では家の建て替え年数はおおよそ80年以上です。地震がおきにくい云々の話はありますが、日本でも昔の地方では一度家を建てたら100年超持たせるというのは話では珍しい話ではなかったようです。国民の資産が増えれば、税金も増えますので国の資産も当然増えます。
最後に空き家対策ですが、現在日本では13.55%が空き家です。例えば団地の中で空き家が増えるとどうなるか?上下水道料金とか減るのでインフラ維持が厳しくなってきます。
景観的にも治安的にも悪くなってきますね。現に私の実家の近くの空き家には半年くらい泥棒家業の人が住んでいたそうです。そんな風にならないためにも国・自治体としては空き家にしないで中古住宅として売って住んでもらいたいわけですね。
なぜ説明義務化かといえば、今までは中古住宅というのはブラックボックスというか買うほうからすると中身が良く分からなかったんですね。広さと築年数くらいしか分からない。新築なら役所に出す建築確認や仕様書があるわけですがちょっと前の中古住宅にはありません。これではみんな買おうと思っても二の足踏んでしまいます。だから国のほうでせめてどんな家なのか分かる範囲で説明しなさいというわけです。
例えばドイツなんかの例で、いうと断熱に関してかなり厳しく、家の中の気温が19度以下になることは健康を損ない基本的人権を損なう、という考えがもとになっているそうです。凄いですね。
日本でも新築に関しては断熱性能の説明義務化というところまで来ましたので、だんだんと断熱性能の低い家はなくなっていくと思います。
そして土地自体の価値、っていうこともあります。
価値が落ちない住宅っていうことでいうと建物もそうですけども、土地自体の価値が下がりにくいっていうことも大事ですよね。
土地っていうのは下がったり上がったりっていうのはあるんですけども、これはやっぱり都市政策、その市町村、市区町村の都市計画っていうのも大きく作用するなというふうに思います。
例えば首都圏で言うと、流山市なんかが人気が出て地価がが下がるどころか上がったりしてるわけなんですけども、どういうことかっていうと、一つは、つくばエクスプレスっていう鉄道が通ったっていうのがありますけれどもそれと同時に、子育てしやすい町っていうのを実際に施策として行ってPRも行っているということがあります。
例えばですね、その子供さんが増えたときに補助多くするっていうようなこともありますし、例えば幼稚園へ通うお子さんがいたとしたら、その送り迎えですね。駅からそれぞれの幼稚園に良いバスを出したりということをしています。つまり、お父さんお母さんとしては出勤のときに一緒に駅まで行ったら、あとは市のバスがそれぞれ幼稚園を運んでくれるお子さんを運んでくれるというような施策などをしたりしています。
そういったソフト面っていうのも一つありますしもう一つはハード面ですね。
それはどういうことかというと、まず地盤ですね。土地の地盤自体が地震のときにどういった影響を及ぼすか、また大雨なんかが降ったときに、洪水などそういったことが影響を受けにくいかどうかということもあります。
これはよく今のハザードマップっていうのを、市区町村で出してますが、そういったものを見ることも大事ですし、また例えば地盤調査会社などが、無料でネットでその地盤の強さを見れるマップを出していたりしますので、そういったものを見て判断するっていうことも大事だと思います。やっぱり床上浸水などしたら、本当住宅にとってはかなりのマイナスになりますので、そういったところもよく気をつけて選ばれると良いんじゃないでしょうか。
建物とそれから土地を合わせて住宅っていうことなんですが、この価値が落ちないためにはどういったところを見るかっていうところを書いてみました。
工務店さんも地域の人口が減って新築が減る以上、中古住宅のリノベーションに無関係ではいられないと思います。
記事 コミュニティービルダー協会 浄法寺亘
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