住宅会社、工務店さんに就職された新人さんへ
こんにちは コミュニティービルダー協会の浄法寺です。
4月に入ってFacebookやTwitterなどを見ていますと
「新卒の仲間がはいりました!」
「就職しました!」
などなど初々しい投稿が入っていて、自分が20数年前に住宅会社に新卒で入った頃のことなど思い出します。
私は建築とは全然違う学部からの就職でしたので本当に右も左もわからない状態でしたが
今、同じように住宅の世界へ営業として飛び込んだ若い人向けに
ちょっとアドバイスとして心構えのようなものを書いてみましたので参考にしてもらえればと思います。
一般的にプロの世界で新人がベテランに勝つことは大変難しいものです。
プロの世界では
1知識
2技術
3経験
が求められますから、入ったばかりの人間というのはベテランに太刀打ちできません。
狼の群れに立ち向かう子犬のようなものです。
しかし、住宅という商品は、前記の3つと同じくらいかそれ以上の「人間性」というものが大きく影響します。
そこに新人がベテランに勝つ方法のヒントが隠されています。
なぜそのような違いがあるのか。それは住宅には他にない独自性があるからです。
1人生で最大の金額 失敗したからといって買い替えが効ません
2一生に一度の買い物 経験がない(役に立たない)
3検討しなければならない項目が多い 素人では判断しきれない
どうでしょう。こんな怖い買い物は他にないですよね。
だって経験がないのに買い替えが効かない失敗できない。それなのに検討しなければならない項目がとても多いという。
そうすると、お客様の心理としては、自分の代理になってくれる人に任せたい、信頼できる人に任せたいと言う想いになります。
・お客様の気持ち、心理について
例えば皆さんがパソコンに詳しくないとします。だけどもウィンドウズが古くなって新しいパソコン買わなければいけないと思って家電量販店に行ったりしますよね。でも店員が「このパソコンはCPUは〜ギガヘルツでメモリーが何とかで…」なんて話をされたら嫌になっちゃいますね。もし、兄弟や友人にパソコンに詳しい人がいたら相談しませんか。できれば自分の代わりに交渉してほしいって思いませんか。それと同じなんですね。つまりこの兄弟や友人と言うのはイコール「信頼できる人」なんですね。信頼できるから自分の代わりになってほしいという思いになるんです。
・信頼できる人とは
信頼できる人というのはどういう人でしょうか。
第一に挙げられるのは自分と共通点があると言うことです。例えば全く知らない人よりも地元が同じだとか同じ学校に通っていたとか同じ部活をしていたとか同じ趣味を持っているとかそういったことの共通点があればやっぱり仲良くなりますよね。
第二に誠実であると言う事もあります。では誠実と思われるにはどういうことでしょう。
基本的には「約束を守る」と言うことだと思います。簡単なようですけども意外とこれができない人は多いものです。約束と言うのは最も簡単な原則的なことで言えば時間を守ると言うことです。ついつい約束の時間に遅れてしまったり忘れてしまったりこんなことありませんか。特に若いうちはそういう出来事が多いと思います。でも逆にきちんと約束を守る、時間を守るということが若いうちにできたらこれは「若いのにしっかりしている!」と言うことで評価がとても上がります。つまり、若いと言うマイナスをプラスにすることができるんです。これを生かさない手はありません。
第三に一生懸命であること。
若さの象徴ともいえますね。多少の知識がなくても「すぐ調べてきます!」といって、その日のうちや翌日に回答がもらえれば「この人はすぐに対応してくれるなあ」という信頼・頼もしさに繋がります。そして、家を建てるくらいの人は同じように仕事を頑張っていたはずなんです。仕事でなくても、皆さんも部活とかで一生懸命がんばっている後輩を見たらやっぱり応援したくなっていたと思うんです。それと同じなんですよ。
それから人が「この人の話をもっと聞きたい!」と思うのは自分と共感できる相手だとわかった時です。
共感が強まるには
1自分と同じ経験がある
2意見が否定されない
3自分の意見をのせて肯定される
というのがあります。
1自分と同じ経験がある、これは先ほど述べたように自分と同じ経験がある人間に対して人は共感を持ちやすいです。皆さんも例えばですけど飲み会で初めて会った人に自分と同じ中学だとか同じサッカーチームが好きだとか昔野球をやっていたとかこんなふうに共通の話題があるとすごく盛り上がりませんか。
2相手の意見を否定しない。これはベテラン営業マンでも結構やってしまいがちなんですが、素人であるお客様の言ったことに対して「いや、それは〜」と言うような否定をしてしまうんですね。たとえお客様の言っていることが明らかに間違っていてもいきなり否定されたらどんな人でもやっぱり腹が立ちますね。腹が立ってしまったらたとえ相手が正論を言っていてもなかなか聞く体制にはなりません。こんなことが続いたらどうでしょうか。「こんな人の話は聞きたくない!」となってしまいますよね。つまりこれは「信頼」を失ってしまった状態。これはこちらが正しい間違っているという問題ではないですよね。もうお客様は聞く気がないのでいくら正論をとうとうと話してももう無駄です。
ではどうしたらいいんでしょうか。例えばお客様が間違ったことを言っていたとしても「そうかもしれませんね〜、ただ…」と言うふうに対応したらどうでしょうか。僕の経験だとお客様も「そうかもしれないね〜」と返してくれるものです。お客様も「自分は間違っていたけど、この人は恥をかかさないでくれた」と言うのはやっぱり伝わります。
3自分の意見をのせて肯定する
例えば次のような会話があったらどうでしょう。
お客様「このリビングはなんか気持ちがいいですね〜」
営業「そうですね。」
完。
会話が終わってしまいました!
これではお客様からしたら本当にそう思っているのかすら疑ってしまうのではないでしょうか。例えばこれを
お客様「このリビングは何かきもちいいですね〜」
営業「ありがとうございます!このリビングには漆喰が使われているので湿度を気持ち良い状態にしてくれるんです。だから僕もこのリビング大好きなんです。」
といった会話だったらどうでしょう。
つまり、単純な肯定ではなく裏付けを持って肯定してくれてしかも自分に共感してくれると言うことを感じられませんか。
これが、自分の意見を乗せて肯定する、と言うことです。自分個人の意見というのが大事なんですね。やっぱり人ですから単純にマニュアル通りの受け答えよりも「その人がどう思っているのか」ということが入っているほうが断然説得力もありますし、信頼を得る上ですごく効果があるものなのです。
ざっと住宅営業の初歩的なこと書いてみました。少しでも工務店さんなどに就職した若人の参考になれば幸いです。
記事 コミュニティービルダー協会 浄法寺亘
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