住宅業界の生き残り戦略とは
今回の台風はかなりキツかったですね。僕らの事務所のある千葉県市原市ではゴルフ場のネットが倒れたり、並木がボコボコ倒れたりして朝からずっとサイレンが鳴りっぱなしでした。しかも暑かったですね。それはともかく…
このところ住宅フランチャイズ本部の方と話す機会が多かったのですが、GWあけてからの集客の激減はすさまじいものがあります。前年比30%とか聞いて愕然としてます。
先行きが厳しい状況の住宅業界、将来のことを考えて先手を打つことも大切ですが、今の一手を打つことも大切ですね。
住宅メーカーの戦略を幾つか紹介します。
戸建て住宅は一条工務店が1位。4年連続です。
分かりやすいキャッチコピー「家は、性能」
という所からの一点突破の超省エネ住宅で標準装備での差別化・分かりやすさを武器に競合を前提に総合展示場戦略を図りました。商品と販売がこれほど見事に組み合い、顧客へ商品の分かりやすさを追求していることも成長の理由でしょう。
今年度の半期を迎えて積水ハウス、ダイワハウスも業績好調ですね。
ダイワハウスの多極化戦略は成功し過去最高益の見通しが出ています。
セキスイハイムは多様化に向けた商品ラインナップを増やしここも増収増益の見通し。
ミサワホームや旭化成は、都市部集中戦略が当り増収増益で、特に旭化成は、法人ルートの開拓に力をいれて新たな集客源として成功しています。
現状では営業マン一人当たり頭数は年4.5棟が平均値で三ヶ月に一棟が通常ペースとなりダウン傾向です。
大手だけでいえば、総合展示場1件あたり平均で26棟、全体的にいえば、事業の多角化、海外展開というものが大きな流れとして見えてきますね。
さて、
工務店としては、市場で伸びている平屋ですね。ここは市場全体の1割を占めていて、成長分野といえます。
また、リノベーションも地域工務店の強い分野ではないでしょうか。リノベーションは、設計系、工務店系、不動産系が
ありますが、今後はインテンリア、デザイン系のリノベーショングループも起きてくる可能性がありますね。
市場自体が縮小の中で大手も、それぞれの生き残りを掛けて変革しています。
まさに、住宅業界戦国時代という状況です。16世紀後半の日本が小氷河期で飢饉が起きやすくなって戦国時代に拍車がかかったのに似ているかもしれませんね。
工務店に目を向ければ新築住宅の集客に苦戦している工務店さんが多いです。
大手フランチャイズ数社の話では、5月から8月までで、集客が前年比で一番低いところで3割、良いところでも7割と寒気がする数字となっています。
某フランチャイズ取締役いわく。
『工務店の集客でいえば、今までのように、今すぐ客ばかりを集める方法は既に限界を迎えて、これからは将来の見込み客を作る、既存客からの紹介増を図る、さらに、新しい集客ルートを創ること。今までと同じ仕組みでは更なる厳しい状況が待っていることは間違いない。』
10年前、誰が一条工務店のここまでの躍進を考えられたでしょう。
厳しい市場でありますが活路はまだまだ眠っている。そう思います。
記事 コミュニティビルダー協会代表 浄法寺亘
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