「住まいの断熱」アンケートより
春分の日も過ぎて暖かくなってきましたね。
暦では『雀始巣(すずめはじめてすくう)』。
雀が巣を作り始める頃だそうですね。
でも、最近は昔に比べると雀を見ることも少なくなった気がします。
ところで先日、SUVACO株式会社が行った断熱に関する調査が発表されました。
題名は
『住まいの断熱』
調査概要は
・調査対象者:20代以上の既婚者
・居住地域:日本全国(9地方での割付有り)
・調査実施期間:2019年2月26日(火)~27日(水)
・回答者数:507名
・調査手法:インターネット調査
です。回答者数はそんなに多くないんですが結構リアルな内容です。
1.冬の寒さについて
つまり、光熱費が上がるのは分かっているが
特に新しい対策は講じずに
厚着したり既存の暖房器具をつかって
やり過ごしている、という人がほとんどですね。
わざわざ建築会社や工務店に頼んでリフォームまでは考えないよ、と。
2.暖房器具を使わない場合の寒さ
まあ、実際に温度を測って比べた人もいないでしょうから
感覚の問題でしょうけども
「外気温と同じくらい寒い」
「外気温より寒く感じる」
が合わせて33%(3人に1人)近くいるというのが凄いですね。
確かに冬の晴れている日などで関東以南なら
日のあたらない室内のほうが寒く感じるというのはあるでしょうけど…。
3.現在持っている空調などの季節家電
1位はもうエアコンで83.6%
私が小学生くらいまではエアコンのない家も多かったですが
さすがに今は殆どの家庭にあるんですね。
2位が扇風機
エアコン嫌いな人もまあまあ多いですから…。
3位がストーブ・ヒーター類
東北や新潟とかではファンヒーターが結構強いですよね。
うちの実家でもしばらくファンヒーターONこたつという時代がありました。
意外と「こたつ」が少なくて39.3%!
どの家庭にも1台はあるものと思っていました。
電気毛布も凄く少ないですね。除湿機が布団乾燥機を兼ねているからでしょうか。
ちなみに各地方の所持率も出てました。
これは結構面白いですよね!
エアコンやこたつ、電気毛布、ホットカーペットの所持率が一番低いのが「北海道」なんです。
これはやはり家全体を暖めるという考えが浸透しているからでしょうね。
各種ストーブ・ヒーターで北海道が1位なのは暖房はエアコンではなくセントラルヒーティング(温水パネルなど)やFF式ファンヒーターが多いからです。
そして夏はエアコンがいるほどではない…ということでエアコンは所持率が一番低くなるわけですね。
逆にエアコン・扇風機・電気毛布の所持率が一番高いのが「四国地方」です。
冬でもそこそこ暖かく夏は暑いということと家にお金をかける文化がないのかも知れません。
では九州はどうなんだという話がありますが、九州は意外と高い山があるので冬に寒くなる地域があるからだと思います。
以前、大分の工務店の社長さんに聴いた話では温泉で有名な別府なんか冬は南東北と同じくらい寒くなるそうです。
そして加湿器を一番使って除湿機を一番使わないのが「関東地方」
これは関東に住んでいると分かりますが冬場の乾燥がきついんですね。
そして通勤電車もけっこう乾燥しています。だからみんなマスクしてます。
4.断熱改修(リフォーム)について
断熱改修(リフォーム)すれば寒さが軽減することを知らない人が4割もいることが驚きです。
でも断熱改修(リフォーム)したいと思わない人が半数近くになります。
理由は何ででしょう?
「費用が高そうだから」が1位で52.7%で半数以上になります。
まあ実際調べて金額を把握している人は少ないと思います。
本当の1位は「わからないけど高そうだから」ではないでしょうか。
断熱改修の費用ってピンきりですからね。
実際は必要最低限に窓だけから断熱材再施工までありますよね。
では、どのくらいの金額なら出しても良いと考えているのか?
これを
部分改修=「お風呂に入るときに脱衣場で寒さを感じないくらいの快適さ」
全面改修=「暖房機器をほとんど使わなくても済むくらいの快適さ」
に分けて聞いています。
ちなみに青のグラフが部分改修でオレンジのグラフが全面改修です。
どちらにせよ、ほぼ10万円以下ですね。
調査分析では「メリットは分かっているが費用はかけたくない」と出ていましたが、僕は違うと思います。
これはつまり
「効果(光熱費的にも実感的にも)がわからないので費用をかけたくない」
という心理状態ではないでしょうか。
もし、「全面改修で年間の光熱費が10万円下がります」という情報があったら、きっと10万円以上100万円未満のゾーンが一番多くなると思うんです。
つまり上記にあった「断熱改修(リフォーム)することで寒さが軽減されることの認知」で「知らない」と回答した人は、おそらく「断熱改修してもどの程度の効果があるのか分からない」という正直な人たちだったんだと思います。
たぶん、施工側の建築会社や工務店さんも具体的に説明できる人が少ないんじゃないでしょうか。
まとめ
・冬の寒さは仕方ないが手っ取り早く温まるしイニシャルコストの低い暖房器具でしのぐ人が多い
・地域性による家の標準的な断熱性能はまるで異なるし、暖房器具もそれに応じる
・断熱改修(リフォーム)の効果が分からない人が多い(施主も施工側も)
・逆に言えば、断熱改修リフォームをきちんと説明できる建築会社・工務店はブルーオーシャンが広がっている
ということが言えると思うのですが、いかがでしょうか?
記事 コミュニティビルダー協会代表 浄法寺亘
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