9月の建築関連トピックスから
ことしは近年では珍しく残暑が続かず
秋らしい天気になっていますね。
大阪周辺は台風の影響でいまだ屋根やエクステリアの改修で
まだまだ忙しいようです。
このような時に思うのはやはり普段からのお付き合いというものです。
地元の工務店や建築会社で家を建てた人は比較的すぐにアフター対応をしてもらっているようですが、建売分譲を買ってそのあと会社がつぶれたり撤退したりしていたりすると、頼るところもなく、建築会社にかけこんでも後回しということも少なくありません。地域の建築会社さんはそういった例をお客様に話して、ローコストや建売対策するのも悪くないのではないでしょうか。
さて、9月の気になる建築関連のニュースでは
「住団連から戸建注文住宅の顧客実態調査」が発表されました。
住団連といえば正式名称は一般社団法人住宅生産連合会といって、もともとは大手のハウスメーカー(特にプレハブ)が構成していたんですが今ではそれだけでなく、JBN(工務店サポートセンター)などの団体も入ってます。
この住団連では年に一回、施主さんへのアンケートを行っているんです。
今回は三大都市圏(東京圏・名古屋圏・大阪圏)プラス一部地方圏(札幌市・仙台市・静岡市・広島市・福岡市)ということでまあまあ全国を網羅したエリアを対象としたアンケートになっています。
なお、有効回答数は 4,424 件で、そのうち 3,782 件(85.5%)が住団連法人会員企業、642 件(14.5%)が中小業者のサンプルである。中小業者のサンプルは昨年度より64件減少とのことですので比較的、大手メーカーよりの属性と考えたほうがよいでしょう。
<調査結果のポイント>
・世帯主年齢の平均は、今年度40.5歳と、昨年度より0.5歳下がった。例年どおり30歳代の割合が高いとともに、ここ数年、25~29歳が増加傾向を示しており、今年度は0.9ポイントアップとなった。
→これは低金利と景気回復の実感によるものが大きいかもしれません。いずれにしろ、20代後半のお客様(たぶん贈与あり)をどう営業するかは課題だと思います。
・従前住宅については、「賃貸住宅」の割合が最も高く52.5%を占める。
→一次取得者が7割強を占める日本ではそうなりますよね。
・建築費(3,535万円)は昨年度より増加し、土地代を加えた住宅取得費(4,889万円) も増加した。「買い替え」は、建築費、土地代ともに増加した、「建て替え」は、建築費が増加、「土地購入・新築」は、建築費、土地代ともに増加した。
→都市部のサンプルですから、一般的な地方の取得費より高めに出ていると思います。
・建築費の1㎡単価は27.5万円で、昨年度から1.0万円増加した。
→坪単価に直すと坪3万円ちょっと上がっているということで、ZEH対応の住宅が徐々に増えているせいもあるでしょうね。
・一次取得層の「土地購入・新築」では、住宅取得費に占める建築費の割合は約6割(59.2%)である。
→都市部のサンプルですからね。
・住宅取得費の世帯年収倍率(6.45倍)は、昨年度より0.38倍増加した。
→取得費が上がってますから、これもつられて上がります。
・認定長期優良住宅は全体の81.1%を占めている。これに伴い、「住宅ローン減税(長期優良住宅)」の適用は69.6%を占めている。
・住宅ローンの金利タイプは、「全期間固定金利」と「固定金利期間選択型」が低下した反面、「変動金利」が増加した。
→内訳としては「全期間固定金利」が22.8%、「変動金利」は55.8%、変動金利が前年比で7%強増えてます。これはこのところの10年固定ローンの金利上昇が効いているかもしれません。
・贈与金は昨年度より低下し平均1,145万円となり、贈与ありの割合も18.0%で昨年度より低くなっている。
→それでも5人に1人は1200万円弱の贈与を受けているわけですね。
・贈与に係る制度の適用では、「住宅取得資金贈与非課税特例」が71.1%で突出して高くなっている。
→相続精算時贈与は使いづらいですもんね。
・建築動機において、昨年度、熊本地震の発生により増加したと思われる「耐震性の低さ」が(14.7→14.0%)減少した。
→誤差の範囲と思います。
・住宅購入を検討する上で重視した点は「間取り」が7割を占め、住環境の面で特に重視した点では、「通勤、通学などの利便」が6割近くを占めた。
→ほかには検討材料として上昇してきているのは「断熱性能・気密性能」で5割弱まで上がってきています。
いかがでしたでしょう。都市部のサンプルですから一般的な地方のお客様と違う部分もあるとは思いますが、傾向は共通するところがあると思いますので参考にされてください。
なお、参考リンクはこちらです。
コミュニティビルダー協会代表 浄法寺亘
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