住宅営業による金利アップトークの為に
昨日、大手都市銀行4行が住宅ローンの金利をアップする、というニュースがありました。
以下日本経済新聞より
少し長いので先にまとめると
・大手都市銀行5行のうち4行が住宅ローン金利を上げた。
・上げたのは三菱UFJ・三井住友・みずほ・三井住友信託
・上げ幅は0.05%
・上げた理由のひとつは国際的な銀行規制がかわりつつあるため
「大手5行が31日、9月に適用する住宅ローン金利を発表した。三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行の4行が10年固定型の最優遇金利をそれぞれ0.05%引き上げた。前月引き上げたりそな銀行は据え置いた。日銀が7月末に長期金利の小幅な上昇を容認したことが背景。大手行が徐々に住宅ローン金利を上げる傾向が鮮明になってきた。
三菱UFJ銀は0.90%、三井住友銀は1.20%、みずほ銀は0.90%、三井住友信託銀は0.85%、りそな銀は0.75%とした。
日銀が2016年2月にマイナス金利政策を導入し、大手行は一斉に金利を引き下げたが、17年半ばごろから引き上げ傾向にある。9月の金利はみずほ銀行で17年4月以来、三井住友信託銀行はマイナス金利導入前の15年9月の高水準となる。
ローンの残高も減少している。18年6月末時点の大手5行(りそなはりそな銀、埼玉りそな銀、近畿大阪銀)の住宅ローン残高を集計すると50兆円となり、前年同月と比べ0.7%減だった。
ただ地方銀行の住宅ローンの残高はまだ伸びている。全国地方銀行協会の統計によると、会員64行の18年3月末時点の残高は57兆円で前年比で2.8%増だった。大手で減り、地銀で増える構図が浮かぶ。
ある中部地方の金融機関はマイナス金利導入後に引き下げた金利を維持し、残高を伸ばしている。「赤字すれすれの商品もある」(関係者)が、住宅ローンで顧客と接点を持つことで退職金の運用など後々の取引につながることを期待する。店を持たないネット銀との金利競争も厳しい。
大手銀には国際的な規制も「残高を無理には増やしたくない」(関係者)理由になっている。昨年末に最終合意した国際的な銀行規制の枠組みである「バーゼル3」が22年から段階的に導入され、住宅ローンは頭金の支払額が少ない場合などに、従来より多くリスク資産と見なされるためだ。」
このような時に住宅関連の営業マンなら
「お客様に危機感をもってもらい、早建理由(早く建てても問題ないお客様に動機づけする理由)にしよう」
と考えるわけですが、
「0.05%じゃあ何も変わらないよな」
と思うか
「具体的にどれくらい変わるのか出してみよう」
と思うか分かれますよね。
もちろん、後者のほうが優秀な営業マンといえます。
今時分に家を建てるようお客様はまじめな勤め人の方がおおいですから、当然このようなニュースは知っているわけです。
そうすると
「この前こんなニュースがありましたけど、実際のところどうなんですか?」
と打合せのときに聞いてきますよね。
そこで
「あんまり変わらないですよ。」
と回答した営業マンと
「大体ですが2000万円借りて月々で450円くらい上がりますよ。」
と具体的に回答してくれる営業マンだったら
どちらを信用しますか?
では、このような場合の計算ですがけっこう簡単です。
1.金利による返済額を導き出す
…これには以下の方法があります。
①銀行からの住宅ローン返済表を見る
②ローン電卓を使う
③自分で一から計算する
①銀行からの住宅ローン返済表を見る
…銀行に行くとその月のローンの金利と返済額が載っている表がもらえます。
こんな感じのものです。
②金融電卓を使う
…電気屋さんに行くとこういう金利計算ができる電卓を売っています。だいたい4000円前後で売られています。
これをもっていると①の表がなくても金利と借入額などの条件が分かればすぐに割り出せます。
僕も住宅営業時代持っていました。
もっとも今ではスマートフォンのアプリにもあるので、僕はそちらを使っています。
「金融電卓」とか「住宅ローン」などで検索すれば出てきますよ。
※僕が使っているのはもうDLできないみたいなので他のを紹介しますが
これ↓なんか使いやすそうです。
金融電卓を使ったことがある人なら簡単に使えると思います。
③自分で一から計算する
…僕はやったことないですが、数学の得意なかたはどうぞ。
2.実際に計算する
では①からの方法を紹介します。
これを知っておけば住宅ローンくらいの計算は難しくないです。
これが出来れば②の金融電卓を使う はできます。
この金利表の金利が0.775%と0.975%なので差引き0.2%上がった場合の計算にします。
この表は金利が何%で返済期間が何年で借りるお金100万円なら
月々の返済がいくらになるか?
を示しています。
例えば
金利が0.775%で30年返済なら月々返済額は3,115円になります。
金利が0.975%で30年返済なら月々返済額は3,205円になります。
つまり金利が0.2%上がったときに
借入額が2000万円・返済期間30年なら月々の返済額は
3,205円(0.975%の額)ー3,115円(0.775%の額)=90円(100万円あたりの差額)
90円(100万円あたりの差額)×20(2000万円は100万円の20倍)=1,800円
となります。
さらに
30年返済ですから総返済額では
1,800円×12(ヶ月)×30(年)=648,000円
となります。けっこうな金額になりますね。
※厳密に計算すると多少のぶれはありますので「概算です」と言っておいたほうがいいです。
こんな感じで計算していくと分かりますが返済期間が長いと
1%の違いでも総返済額は大分あがります。
資金計画を気にされている方や老後の心配をされている方には
必ずこういった話をしてあげたほうが親切ですし信用してもらえます。
資金計画は知り合いの銀行さん紹介しますよ!というのも良いですが、
ハウスメーカーの営業はこの程度の計算はみんな出来ますので
住宅営業をされる方は押さえておいたほうが良いと思いますよ。
慣れるとパターンが決まっているので、
お客様に返済可能額を聞いてすぐに
精度の高い予算判断ができるようになって、
お客様にどのくらいの提案をして良いか頭に浮かんでくるようになりますよ!
記事 コミュニティビルダー協会代表 浄法寺亘
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