『フラット35 住宅仕様実態調査』より
気持ちよく晴れたと思ったら台風が接近!と
なんか落ち着かない梅雨ですが
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
先日、住宅金融支援機構(昔の公庫)から
『2017年度の「フラット35住宅仕様実態調査」の結果が
発表されましたのでちょっとまとめてみます。
まず、この調査は5年ごとに
「フラット35」を利用して建てた人
に対して行なわれている調査で概要として
対象地域:全国
対象件数:3000棟
対象物件:新築一戸建て(木造軸組のみ)
調査時期:平成29年11月~12月
となっています。
という感じで全国くまなくフォローしているので
結構信頼度の高い調査結果ではないでしょうか。
(それにしても京都が人口のわりに数がすくないのは何ででしょうね)
1.住宅の構造
…10年前に比べると「準耐火構造」が結構増えてますね。3割弱間まできています。
おそらく準耐火仕様のサイディングのラインナップが増えたことで、建築会社側も
「火災保険が安くなりますよ~」と勧めやすくなったのかもしれませんね。
2.地域による利用性能
…それぞれの地域で特色が出ていますね。やっぱり寒いところを抱える
地域(北海道・東北・北陸・中国)は省エネルギーの割合が高まりますし
そうでもない地域(東海・四国・九州)は耐震性とかバリアフリーの割合が
高いですね。
3.基礎について
…ほとんど(91%)もうベタ基礎ですね。でも地域別になると
…北海道の布基礎率が80%というのはもう地域性ですね。
よく言われるのが「凍結深度」が深いので、布基礎でも費用が高くつきやすいのと
シロアリの心配がほとんどない、などの理由で布基礎が多いといわれてます。
東北や北陸でも布基礎の割合が多いのはそのせいかも知れませんね。
と思ったら、基礎高のアンケートもありました。
…これで見ると、北海道の基礎高は「45㎝」が標準で、首都圏は「40cm」が標準なんですね。
そうするとその差は「5㎝」ですから、それほど工事費に差が出るとは考えにくいです。
ただ、北海道の場合、平均年収が全国平均よりも60万円くらい安いというのと
基本的に一次取得層(土地から購入)が他の地域よりも多いという特性があるので
建築会社としては「少しでも安く見せたい」という意識が強いかも知れませんね。
4.耐久性の仕様について
①土台の樹種
…さすがに「ひのき」が強いですね。米松やホワイトウッド、レッドウッドは集成材でしょうね。
でも、建売を含めてもひのきが7割近いというのは意外でした。
では地域による樹種の違いです。
やっぱり北海道は特殊な地域ですね。ひのきが4分の1まで減って、代わりに杉やヒバが入ってきます。
でもこれは、基本的にヒノキが生えていない地域なので、昔からなじみがないというのもあるでしょう。
北東北からはヒノキが生えない代わりに「青森ヒバ」「秋田杉」が良い材料としてブランドになっていますから。
かくいう僕の父親も福島県の会津で製材所に勤めていましたが、「ヒノキ」よりも「杉の良材」のほうに価値を置いてましたね。
たぶんヒノキが良いとか悪いとか以前にほとんど流通してなかったんだと思います。
うちの目の前が製材所でしたが、今思えば置いてあるのは杉ばっかりだったような。
5.外壁面の軸組みの防腐・防蟻措置
…今回の調査で初めて外壁内通気措置(つまり通気層施工)が薬剤処理を上回ったとのこと。
私はとっくに薬剤処理は少なくなっていると思っていました。
これは良い悪いではないですが、外壁材をサイディング施工かモルタル施工かによっても違いますよね。
ただ、現在はモルタル施工でも通気層を設けるようになってきているので、通気層工法が増えていくのではないでしょうか。
地域による差もちょっと見ましょう。
…ほとんどの地域で「外壁内通気措置」が「薬剤処理」を上回っているんですが、なぜか近畿と中国地方だけは「薬剤処理」が圧倒的に勝っています。ひょっとすると和風の家が多いからでしょうか。和風できれいに仕上げようとする場合、外壁材はやはりサイディングよりモルタル下地での吹き付けや塗り壁のほうが高級感出ますからね。
調査はまだ続きがありますので、今回はここまでとして次回以降に続きます。
いかがでしょうか。自分達の住宅の仕様はその地域で標準的なものでしょうか。
もちろん独自性があることは良いことなのですが
お客様には「なぜその仕様なのか」ということを納得してもらう必要がありますよね。
でないと競合相手から
『いまどきそんなことやってる建築会社いないよ!』
とお客様が言われた時に対処できません。
むしろ言われる前に説明しておかないと
「言い訳」
と取られかねませんから注意が必要です。
それではまた!
記事 コミュニティビルダー協会代表 浄法寺 亘
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