住団連の「戸建注文住宅の平均顧客像 」より3
前回、前々回に続き、住団連が発表していた
「戸建注文住宅の平均顧客像 」
について解説していきます。
1.住宅資金に資金贈与を受けた人の割合
この表を見ると、住宅資金に贈与を受けた人の割合は
日本全体では概ね 20%前後
東京圏では 17%
名古屋圏では 26.9%
大阪圏では 19.9%
地方都市圏では 17.2%
となってます。
やっぱり名古屋は割合が高いですね~。
4人に1人以上が資金贈与を受けてます。
つまり他の地域で建てる人でも
「名古屋出身」
のご主人か奥様であれば
資金贈与を受ける確立が高いことになりますね。
資金計画時のヒアリングだけじゃなく
「お二人のご出身はどちらなんですか~?」
なんて雑談からでも資金計画の種があるんですね、
他の地域でも20%弱はあるので
5人に1人は親御さんからの資金贈与があるわけです。
お客様に
「親御さんから資金の援助は受けられますか?」
なんて直接的に聞かなくても
「住宅資金にかんする贈与税の特例というのがありますが…」
と切り出すだけで「受ける予定がある・ない」は
お客様から言ってくださいますよね。
また、
「一般的には親からの援助って受けるものなの?」
という質問がお客様から出ることも多いです。
そんなときには
「全国平均でも5人に1人が贈与されているみたいですよ」
というふうに回答することで
「じゃあ親に相談してみようかな」
となることもありますよね。
よく
「うちの地方だと若い人は収入がないから思ったようにローンが借りられない」
と言う工務店さんもいらっしゃいますが
子どもや孫のための家なら資金を提供したいという方は
地方であろうとも少なくないと思いますよ。
その良い例が下のグラフです
2.施主の世帯別贈与の受けた割合
やはり若い施主さんほど贈与の割合が増えています。
20~25歳未満 44.8%
25~30歳未満 36.0%
35~40歳未満 31.5%
40~45歳未満 28.1%
45~50歳未満 24.3%
50~55歳未満 16.3%
55~60歳未満 16.2%
60~65歳未満 8.6%
65~70歳未満 9.3%
70歳以上 8.6%
となっています。
現在、家を建てる人の主力である30歳前後に絞ってみると
3割を越えています。
こうなると、「資金贈与はあるもの」と思って
お客様と話したほうがよいですね。
ちなみに50歳以上でも一定数あるのは
「相続時清算の贈与特例」
を利用して家を建てたり、アパートを建てたりの
相続対策だと思います。
3.特例や税制などが家を建てる動機になったか?
先ほど触れた「贈与の特例」もそうですが
施主さんはいろいろな「きっかけ」で
具体的に動き出しますよね。
そこで参考になるのがこちらのグラフです。
動機付けで効果が高かった(きっかけになった)順に並べますと
※大きい効果があった、で並べます
1.住宅資金贈与特例
2.ZEH補助金
3.太陽光発電
4.住宅ローン減税
5.フラット35の金利低下
となってます。
ひょっとすると
「家は建てたかったけど、資金がたりなかった。
でも贈与特例で親からの贈与があって
建築することができた。」
という方がけっこういるのかもしれませんね。
逆に言うと
この5つの事柄についての知識が少ない建築会社は
知識を持っている建築会社に
受注機会を奪われている
可能性が高いと思います。
まさに、ハウスメーカーの営業が強いのはここです。
それに、今はインターネットで勉強してるお客様がほとんどです。
お客様からすれば知識のない建築会社さんは
「プロなのに分からないの?」
と思いますよね。
「建てるほうのプロだから」
なんて言い訳は通用したらいいんですが
殆どのお客様は
「そうですよね~」
といいながらガッカリしてますよ。
4.住宅を購入するに当たって特に重視した点
これはどんな時代でもある程度変わらないと思いますが
ちょっと見てみます。
これも得点が高い順に並べますね。
1.住宅の間取り
2.住宅の断熱性や気密性
3.地震時の住宅の安全性
4.収納の多さ、使いさすさ
5.住宅の広さ
となっています。
ただ、1位の「住宅の間取り」というのは
「凝った間取り、こだわった間取り」
とは限りません。
「最低限の要望はかなえているか」
の場合が多いと思います。
2位の「断熱性、気密性」は暮らしやすさや光熱費に直結する項目ですので
大切なポイントですよね。
※僕は営業でしたが「断熱施工技術者」の登録証を
お客様に見せてから断熱の話をするようにしていました。
もちろん、講習を受ければくれるような簡単な登録証です。
それもお客様に話した上で
「最低でもこのくらいの講習は受けたうえでお客様に話すべき」
と話してから断熱仕様の話はするようにしていました。
つまり、上位5位についてはお客様の関心が高い項目で
しかも、業者選定の判断基準になっているということです。
ここをお客様に分かりやすく説明できないと
例えどんな良い家を造っていても
お客様に選ばれない可能性が高くなる
ということですね。
大丈夫だとは思いますが、もし、説明資料がなければ
すぐに作成したほうが良いと思います。
以上3回に分けて
「戸建注文住宅の平均顧客像 」
について参考になりそうな部分を抜粋して
解説してみました。
現在、住宅購買層である30代前後のお客様について
私もイメージがしやすくなりました。
お客様にどんなことを話したらよいか
お客様にどんな資料を見せたらよいか
お客様向けにどんな勉強会を開いたらよいか
などなど
皆さんの参考になれば幸いです。
※もっと内容を知りたい方はこちらのリンクからどうぞ
記事 コミュニティビルダー協会代表 浄法寺
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