コミュニティービルダー協会は
「内閣府beyond2020」の認定および「外務省JAPAN SDGs Action Platform」の紹介団体です。

2月上旬気になったニュースから

公開日: : 社会

北陸では記録的な大雪が降って大変なことになりましたが

だいぶ降雪は治まってきたようです。

関東では寒さは厳しいながらも梅の花も咲いて

春ももうすぐなのかもしれませんね。

さて、2月の気になったニュースを紹介します。

1.住友林業が木造超高層建築の開発構想W350計画始動

20180208_02

以下、プレスリリーより

住友林業株式会社(社長:市川 晃 本社:東京都千代田区)は2018年2月20日に会社設立70周年を迎えます。この節目の年に、1691(元禄4)年の創業から350周年を迎える2041年を目標に高さ350mの木造超高層建築物を実現する構想W350計画をまとめました。高層建築物の木造化・木質化と街を森にかえる環境木化都市の実現をめざします。この構想計画は当社研究開発機関の筑波研究所を中心にまとめ、建築構法、環境配慮技術、使用部材や資源となる樹木の開発など未来技術へのロードマップとし、木造建築物の可能性を広げていきます。

建築概要

この建物は木材比率9割の木鋼ハイブリッド構造です。構造は木材と鋼材を組み合わせた柱・梁の構造に鉄骨制振ブレース(筋かい)を配置するブレースチューブ構造とし、建物の一番外側は四周をぐるりと回るバルコニー状のデザインとします。バルコニー部分は超高層建築物でありながら新鮮な外気と豊かな自然、木漏れ日に触れられる空間を目指します。地上から建物のバルコニー部分を経由して高層階まで連続する緑は、都市での生物多様性を育む景観となります。建物内部は純木造とし、木のぬくもりややさしさを感じる落ち着いた空間とします。株式会社日建設計の設計協力でまとめています。

*ブレースチューブ構造:柱・梁とブレースにより筒形の殻(ブレースチューブ)を構成する構造システム。柱や梁などで組まれた軸組に対角線状にブレースを入れることで、地震・風などの横からの力に対して建物が変形するのを防ぐ。

■W350計画がめざすもの

<地球環境との共生>

  • ▶ 街を森にかえる

・超高層建築物の木造化の技術開発を通じて、資源・材料・建築各分野での研究・技術開発を加速します。建物が植物、生物にとって快適な環境をつくりだし、そこに住む人、都市に暮らす人にとって快適な空間となり、また生き物の棲家となる森のような建築物を目指します。木造建築物が街中に増え、地上の緑が建物、そして都市につながり、森となっていく街づくり構想です。緑あふれる建物は、野鳥や昆虫など生き物の生活圏を繋ぐネットワークを形成し都市の生物多様性に貢献します。

  • ▶ 木材使用量・CO2の固定量の拡大

・高層建築物を木造化することで、炭素の固定量が増大し木材需要も拡大します。林業の再生による地方活性化や快適な環境の木化都市ができます。W350計画の木材使用量185,000mは当社木造住宅の約8,000棟分※に相当します。またCO2を炭素として固定する量は約10万t-CO2相当となります。(※構造材のみで試算)

  • ▶ 地球環境負荷の低減

・国内の森林資源の蓄積は年々増加しており、国産材の供給量は木の年間成長量の1/4~1/5程度に留まっています。木材の利用量が森林の成長量と同等になれば、間伐や再造林などの森林整備を推進し、森を健全な状態に維持し、CO2の吸収量を確保できます。

<社会との共生>

  • ▶ 林業の再生

・手入れが十分に行き届かずに放置されている国内森林の荒廃が問題となっています。木材需要の拡大で再植林を促し、山を循環させるための苗木造りを通して林業再生、地方の活性化に寄与します。

  • ▶ 木材のカスケード利用

・高層建築物で活用する木材は、一定期間使用したのち一部を取り替えてメンテナンスを行います。使用していた木材は住宅用の柱・梁などに再加工・利用し、その後は新たな木質建材の原料にする等、都市の中で循環させることができます。最終的な廃材はバイオマス発電の燃料とし、バイオマス発電の燃焼時に発生する熱を木材の乾燥に利用するなど木材のカスケード利用が可能です。

W350計画の意義

日本は国土に占める森林面積が約2/3(68.5%)で、OECD加盟国の中でフィンランドに次いで世界第2位ですが、国産材の自給率は約3割前後に留まっています。戦後に植えられた大量のスギやヒノキは、今まさに伐採期を迎えているものの手入れが行き届かないまま放置され、国内森林の荒廃が進んでいます。これらの木を活用し、伐採後は再植林して山を循環させていくことが重要となっています。

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W350計画が具現化する未来

2010年に「公共建築物等木材利用促進法」が施行され、それまで非木造建築に限定されてきた公共建築物の木造化が推進されるようになりました。国が率先して木材利用に取り組み、地方公共団体や民間事業者にも国の方針に即した主体的な取り組みを促すのがねらいです。木の可能性を高める技術で世界一をめざし、森林、木材資源、緑、木の魅力を引き出し、高め、人と社会、地球環境に貢献していきます。

W350計画の総工費は現在の技術の積上げでは従来型超高層建築物のほぼ2倍と試算できます。今後技術開発をすることでコストダウンを進めて経済的にも実現性を高めます。木材の再利用、人にやさしい都市づくり、林業の活性化などメリットがあり、木の良さを活かす適材適所の木材利用で木造建築の需要を伸ばして行きます。耐火・耐震・耐久性能のさらなる引き上げ、建築コストの徹底した削減、新たな部材や構法の開発、そして資源となる樹木の開発等に注力し、街を森にかえる環境木化都市の構築をめざします。

感想

日本一山林を持っている会社といいながら、全然住宅には国産材を使ってこなかった住友林業さんにあまり良い印象は持っていなかったのですが、この計画が実現されれば素晴らしいと思います。

この計画によって木造高層建築物への先鞭がつけば、日本の都市に新たな「森」ができることになります。

 

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