差別化しすぎたギリシャ都市 2
公開日:
:
最終更新日:2021/06/11
日々徒然草
前回は古代の大帝国アケメネス朝ペルシャがギリシャに
侵攻しようとしてきたところでした。
↓ちなみに映画「300」でのペルシャのクセルクセス王
こんなの侵攻してきたらギリシャじゃなくても勘弁して欲しいです。
(続き)
ギリシャ各都市合わせても数万という兵力に対してペルシャの兵力約30万
という圧倒的な兵力差です。
このペルシャ戦争を全部まとめると長すぎるので
スパルタに絞ってまとめます。
アテナイからペルシャに対抗しようと誘われる
↓
仕方なく参加
※スパルタと仲の悪かった都市アルゴスは同時に離反
↓
各都市との話合いで山間部の隘路テルモピュライで迎え撃つことに
↓
スパルタは大事なお祭りの最中でもあり
オリンピックにも兵士を送っていたので
(こんな時に開催していることが理解できませんが
今でも”祭り”というと全てに優先させる人もいますから
そんなものかもしれません)
王様(レオニダス1世)と親衛隊300の兵だけ出す
↓
結局、スパルタと連合軍約5000でペルシャ軍20万を
迎え撃つことに。
↓
スパルタの重装歩兵が先陣となってペルシャ軍を防ぐ
↓
スパルタ軍が強すぎるので
ペルシャ軍はエリート部隊の「不死隊」をぶつけるも破れず
※ちなみにスパルタのこのときの戦法は、
敵が来ると背中を見せて逃げる、と見せかけておびき寄せ
正面から重装歩兵陣をぶつけるという、どこかの国の
「釣り野伏せ」
みたいな戦法でした。
↓
大兵力をもってしても突破できないペルシャ軍は
土地の住民を買収して迂回路を発見し
ギリシャ軍を挟み撃ちにすべく
夜間に別働隊を進軍。
↓
別働隊は迂回路を防衛していた隊と遭遇しましたが
「スパルタじゃなければ無視」
ということでそのまま進軍。
↓
さすがにギリシャ軍もこれはやばいと気づき作戦会議
徹底抗戦を主張するスパルタ
その他1400人を残して撤退。
↓
ペルシャ軍から降伏の使者がくるもスパルタ王レオニダスの回答は
『モーロン・ラベ(来たりて取れ)』
つまり
『やれるもんならやってみろ!』
でした…。
↓
そして、当然戦闘になります。
※映画の『300(スリーハンドレッド)』ではクライマックスの
戦闘シーンです。
30万人 VS 1400人
ここでスパルタは寡兵で大軍を迎え撃つときの常道
狭い道で迎え撃つ、を捨てて広場に出て決戦を挑みます。
別働隊が来る前に勝負をかけたのかもしれません。
激しい戦いの中、優勢に戦っていたスパルタですが
別働隊が到着するとさすがに狭い道へ撤退します。
この攻防の中、レオニダスは戦死。
彼の遺体をめぐって両軍入り乱れの激戦。
この戦いでスパルタの兵士は
槍が折れれば剣で戦い
剣が折れれば素手や歯で
戦ったそうで、
さすがにペルシアの兵士も嫌気がさして
最後は長距離から矢の雨で決着を着けました。
スパルタ側は当然全滅でしたが
ペルシア側もなんと2万人の戦死者が出ました。
スパルタ一人あたり15人弱を殺したことになります。
恐ろしい強さですね。
この後
陸ではもうかなわないギリシア連合軍は都のアテナイすら
空にして損害を減らします。
そのうえで、この戦いで時間をかせぎしたことで
海戦に賭けてみごと勝利しました。
(サラミスの海戦)
さらに陸でもスパルタが1万から4万の重装歩兵で
30万のペルシア軍をプラタイアの戦いで破り
レオニダスの仇をとりました。
結果、ギリシア連合軍はペルシア侵攻軍を一掃したのです。
…ここで終わればスパルタカッコいいで済む話なんですが
「俺たちがギリシアを救った!」
とばかりに
このペルシア戦争で総指揮をとっていたスパルタがいい気になってしまい
他のギリシア都市がそっぽ向いてしまいます。そこにつけこんだ
アテナイが盟主になって「デロス同盟」をつくられてしまいました。
要はハブられた、ということです。
ちょっとするとアテナイも天狗になってしまい
今度はそこにスパルタがつけこみギリシア中を巻き込んだ
「ペロポネソス戦争」
が始まりました。この戦いにスパルタが勝利し、ギリシアの
覇権を握ります。
その勝利で富がどっとスパルタに流れ込んできました。
ところが質実剛健で贅沢に慣れていないもんですから
スパルタ人はかえって混乱してしまいます。
貧富の差は出てくるしで、国の支えであった
リュクルゴス制(前回ご紹介したスパルタ独自の制度)
も守らなくなり弱体化してしまいしました。
結果、
コリントス戦争で海上の覇権を失い
レウクトラ戦争で陸上の派遣も失い
徐々に独立国家としての地位を失っていくことになるのです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
スパルタはその特殊な制度ゆえに独立性と強さを
持つことが出来ましたが、あまりにも特殊すぎて
変化に対応することが出来なかったのではないでしょうか。
光栄の信長の野望や三国志をプレイしている人なら
分かると思いますが
資源を軍事力に全振りしても勝ち続けることはできません。
やはりバランスかと思います。
そして、バランスを保つということは常に変化している、
ということに他ならないんですね。
世の中が動いている以上、静止してバランスをとることは
出きないのだと思います。自転車も弓もそうですが
バランスをとっているのは力を注ぎ続けているからです。
今の世の中はまさに日進月歩です。
インターネットによって個人の受け取る情報量は
600倍になったのに、処理能力はせいぜい20倍程度。
常に考え、動き、試していくことが生き残る方法ではないでしょうか。
記事 コミュニティビルダー協会理事 浄法寺
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