コミュニティビルダー協会コラム ~国交省の住宅ローン調査より~
コミュニティビルダー協会コラム
~国交省の住宅ローン調査より~
…今年の3月に国土交通省から昨年の住宅ローンについて、全国の金融機関1,398社を対象に行った調査を公表していたのですがご存知でしたでしょうか?
いくつか面白い内容が載っていますのでまとめてみます。
※正式名称は「平成27年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 調査報告書」です。
1.業態別新規貸出し額
…大都市に強い都市銀行(みずほやUFJなど)や地銀が強いのは予測がつくとして、実は数年前からモーゲージバンク系(イオン銀行など)が労金や第二地銀を抜いての実績となっています。つまりお客様の感覚としては「検討先として普通にアリ」ということですね。ここが使われる理由としてはおそらく、フラット35を利用するお客様が多いという前提でかつ
1.実店舗を構えない分金利が安い
2.大手(積水ハウスはじめ4社)の提携でつくられた「日本住宅ローン」をはじめとした大手ハウスメーカー提携会社がある
3.基本的にネット上で手続きが進んで便利
という点が挙げられます。
大事なのはそういうお客様から
「フラット35を利用したいんだけどモーゲージバンクってどうですか?」
と聞かれたときにどう答えられるか?だと思います。
具体的な例も挙げずにあいまいな回答をすると
『この工務店さんはいいかげんだなあ~』
と思われるということです。口にはだしませんけどね。
「工務店は家だけきちんとつくってくれればよい」
というお客様はもうほとんど居ません。
2.金利タイプ別割合
どの金利タイプ(全期間固定とか変動とか)の商品が出ているかです。
…まだ圧倒的に変動金利型ですね。金利なども含めると3年固定とか5年固定などの「固定金利期間選択型(いわゆる短期固定型)」が多いように思いますが、まだまだなんですね。ひょっとするとフラット35+変動金利商品などのあわせ技がとれるからかもしれません。総融資金額で出したら、またちがう結果かもしれません。
では固定金利期間選択型ではどのパターンが多いのでしょうか。
少し減ったものの「10年固定型」がダントツに多いですね。
以前商談していたお客様の意見としては
『10年経つと子供たちが大学を卒業するから』
というものが多かったですね。
逆に「どれがいいの?」と聞かれた場合にも家族構成の変化をきりにして提案していました。
3.審査方法
…ここが皆さん気になるところではないでしょうか?
「なぜ降りないの?」「なぜ減額なの?」
と銀行員に聞いてもなかなか本当のところは教えてくれないですよね。
まずトップ5から行きましょう。※上の数字が平成27年調査、下の数字は平成26年調査です。
…ちょっと驚きなのが2位の
「健康状態」
ですね。
話によると、健康診断をきちんと毎年受けているとか、そういったことも重要視されているようです。
たしかに健康状態というのはもろに収入に関わってくる部分ではありますね。
ちなみに、回答対象1264件のうち
・団信加入必須が1108件
・団信不要が5件
・選択可能が110件
ということなので絶対視していない会社も1割程度はあるので、
健康状態に少し問題があっても借入先は探せばある
のかもしれません。
返済負担率が入っていないのは、収まっていて当然というところなのでしょうか。
「担保評価」
はまあ当然でしょう。
というか最低限この辺が足きりラインなんでしょうね。
次は6位から10位です。
…実際のところ、連帯保証は保証会社をつかう方がほとんどでしょう。
調査詳細でも
・系列保証会社の保証が必要…803社
・外部保証会社の保証が必要…518社
・連帯保証不要…47社
でした。
この辺は具体的に借りたらどうなるかという具体的な検討項目といえると思います。
返済負担率に関しては、負担率判断は各銀行の貸し出し金利とイコールではないですよね。
この辺は取引先の金融機関に聞けば分かりますので抑えておきましょう。
次は11位以下です
…意外に低いのが
「申し込みとの取引状況」
「業種」
ですね。ということは、給与振込みとかで使っている銀行だから、とかはあまり関係ないんですね。
あとやはり気になるのはよくある不通理由の
『カードローン等他の債務状況および返済状況』
ですよね。消費者金融で借りて返してないとかは論外としても、いわゆるクレジットカードを作りすぎて借り入れ枠が減ってしまったりするのはよくある話です。
「雇用形態」に関しては
・派遣社員は対象外…569社
・契約社員は対象外…507社
・自営業は対象外…25社
と正社員以外はかなり厳しい状況ですね。
以上、内容で面白いところでした。意外に思われるところはあったでしょうか?
年毎に少しずつ傾向は変わったりするものですね。消費税が上がる直前の平成25年と上がった平成26年あたりでは、固定金利選択型でも選ばれる年数が違っていました。
全体として
まとめると、工務店さんとしては
1.住宅ローンの全体の傾向は抑えておきましょう。
2.返済負担率計算はできるようにしておきましょう。
3.クレジットカードの所持数は確認しておきましょう。
ということで、住宅ローンを銀行の担当さんにお任せにせず、できるだけお客様の申込手続きなどに同行して肌感覚をつかんでおきましょう。
参考リンク⇒国土交通省「平成27年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 調査報告書」
記事 コミュニティビルダー協会理事 浄法寺
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