コミュニティビルダー協会コラム ~住宅の文化財としての取り組み~
コミュニティビルダー協会コラム
~住宅の文化財としての取り組み~
全国には昔の豪商や豪農などの住宅や店舗などが文化財として指定されていますよね。
私が住宅の営業をしていた折のお客様のお店(傘屋さん)も小金井の『江戸東京たてもの園』に寄贈されていました。すごく誇らしげに語られていたのを覚えています。
今回のお話は福岡県の小郡市に現存(実際に人が住んでます)する「豪商平田屋住宅」内に『小郡町家展示室』がオープンするとのこと。
この住宅なんと明治12年の再建とのことなので築137年!
邸宅の敷地内には母屋・渡り廊下でつながった3棟の離れ座敷・山水画を模した庭園・数寄屋造りの茶室と贅沢なつくりですね。
以下、西日本新聞の記事より~
明治から昭和初期の小郡市中心街のにぎわいを伝える「小郡町家(まちや)展示室」が1日、同市小郡の市有形文化財「平田家住宅」にオープンする。22日にはシンポジウムが開かれる予定で、住宅を生かした地域コミュニティーの場作りが本格化する。保存活用の指揮を執る鹿児島大名誉教授の土田充義さん(79)と家主の平田武敏さん(73)は「地域の方々と共に歩む場所にしたい」と意気込んでいる。
平田家住宅は幕末期から明治初期の建築とされる、敷地約2千平方メートルに立つ邸宅。老朽化が激しいため地元住民が保存運動を展開。4月には土田さんが理事長を務めるNPO法人文化財保存工学研究室が拠点を作り、住民と一緒に修繕に取り組んできた。
展示室は市教育委員会が国道500号に面した住宅の一部に開設。平田家をはじめとする周辺の町家に残っていた資料約20点や歴史を分かりやすく解説するパネルを並べる。明治時代に市内初の銀行を設立した平田家の祖先が使っていた頭取机や、賓客が訪れた際に住宅の門に飾られていた青色の幕、大正から昭和初期当時の写真など、かつての繁栄の様子が伝わる内容になっている。
土田さんや住民らが進めてきたトイレや数寄屋(茶室)の修繕もほぼ完成。1日午後1時半に茶道講座、22日午後1時半には住宅の活用方法について考える公開シンポジウムがある。
展示室は入場無料で、毎週月・水・金曜の午前10時~午後3時(年末年始除く)公開。
昨年、田園調布の鈴木邸が取り壊し(一部移築)になるということでニュースになっていましたが、地方のこういった住宅がニュースにもならず人知れず解体されている例もあると思います。
もちろん維持費なども現実にかかってくることもあるわけで、課題は少なくないとは思いますが、老朽化した住宅を地域の人たちが支えて、また地域の人たちのために家主が公開・提供する、すばらしい試みだと思います。
記事 コミュニティビルダー協会理事 浄法寺
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