コミュニティビルダー協会コラム ~高山市の木の駅プロジェクトについて~
コミュニティビルダー協会コラム
~高山市の木の駅プロジェクトについて~
市民参加型の里山保全の動きとして高山市(岐阜県の)の『木の駅プロジェクト』がニュースに取り上げられていたのでご紹介します。
現在、日本の里山が間伐(植林した林の中からある程度木を切って手入れすること)できずに荒れ始めて問題になっていることは良く知られていることと思います。
ちなみに里山が荒れて引き起こされる問題とはとてもざっくり説明すると
・木々が密集してしまうことで山の中に陽が当たらなくなる
↓
・下草などが生育しにくくなり枯れた山になる
・竹が入り込んできて広がる。(特徴として密生してかつ根の張りが浅い)
↓
・山の涵養(水を蓄える)機能が衰える
↓
・土砂崩れ、洪水を引き起こす
という問題点があります。
すこし話が横道にそれましたが、今回のニュースは「間伐材」と「地域通貨」を組み合わせて
『山をきれいにして、
伐採したお父さんもちょっと晩酌代(ココ大事ですね)が出て、
地域の商店さんも少し売り上げが伸びて、
みんな元気になる!』
という印象をうけました。ただ使命感とか義務感だけでなくて元気になる!のがいいですよね。
その間伐材を集める場所が『木の駅』というわけです。
この『木の駅プロジェクト』を進めるのは役所ではなくNPO法人の「活エネルギーアカデミー」さんです。
このプロジェクトは役所主導ではなく地域の皆さんが委員会をつくって行うことが多いようで、そのほうが皆が問題を共有して楽しくやれるのだそうです。
現在、高山市では3カ所に増えて、年度末までに7カ所に設置されるとのこと。
集めた間伐材は1トンあたり6000円分の地域通貨『エネポ』と交換できます。
『エネポ』は市内の飲食店など31店舗で利用できるので、重機のガソリン代とか差し引いてもお父さんの晩酌代くらいは出るよ!という仕組みです。
※地域通貨というとわかりにくい人は「商店街のクーポン」あたりを想像すると良いと思います。
この間伐材を地域の旅館のお風呂やバイオマス発電の燃料として委員会さんが仲立ちになて売却するので、エネルギーの「地産地消」の推進にもつながっています。
ここの場合は、間伐材をすべて市内の「木質燃料」さんが燃料のペレットに加工して売却。
運搬費はほぼ無料で材料も安く買えるので会社さんのメリットもあり、社長さんはいままでなかった「市内産の燃料」というブランド創出にもつながっていると話しているそうです。
もっと、一般市民に周知していくのが課題とのこと。
なお、この『木の駅プロジェクト』は全国にすこしづつ広がっているのですが、同じ岐阜県の恵那市の笠周地域ではすでに地域のほとんどのお店でこの地域通貨の「モリ券」が使用されていて、間伐材以外の利用も増えているそうです。岡崎市の「額田木の駅プロジェクト」では小学生に間伐を体験してもらったりしているそうで、徐々にプロジェクトに女性や高齢者も参加しはじめていて、市民があらためて山にはいるきっかけとなっています。
とはいえ、一般の人できこりの経験をしたことがある人は少ないので、全国のプロジェクトの中にはチェンソーを扱うセミナーや重機の貸し出しをはじめているプロジェクトも増えているそうです。
こういう動きはそれこそ地域の材木屋さん、工務店さん、建材屋さんがどんどん活躍できる場ではないでしょうか。
参考までに涵養力は森林と裸地でこれくらいちがいます。単純な比較では水を蓄える力が3倍違うんですね。ここに近年のような『ゲリラ豪雨』ですからね…。
記事 コミュニティビルダー協会理事:浄法寺
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