プロダクトデザイナーでもあるご主人にとって、休みのときも創作の時間と空間は欠かせない。だから必然的にクリエイティブな作業ができ、さらにギャラリーとしての要素も備えたアトリエが家の中に設けられた。 断熱素材の上に玄関用のタイルを敷き詰めた床は、
フロントヤードから靴のまま出入りでき、汚れを気にせずに作業できる。このスタイルは諸外国の仕事仲間や友人が訪れるK邸にとって、ゲストが気兼ねなく過ごすための配慮でもある。
コーナーには水栓、天井には電源、出窓の棚にはパソコンとオーディオと、作業環境は万全。すでに出窓には友人手作りのカウンターと棚が据え付けられ庭のシンボルツリーと同じシナの木でご主人が制作した階段状のオリジナル家具やテーブルが置かれている。そして、南東から自然光を取り込み、庭の緑と空の青さを望むぜいたくに、創作とコミュニティーの輪がどこまでも広がっていく。1階フロアはアトリエを中心に開放的な空間としている分、大型テレビから冷蔵庫、オーブン、日常のレシートに至るまで機器や小物がすぐに収納できるスペースを計画的に設けている。これは奥様によるアイデア。そして腰折れ
屋根に守られるような2階はプライベートフロアとして寝室と一緒にバスルームや洗濯機も備えている。パジャマ姿で安心して過ごせて、家事や生活雑貨もゲストからは見えない。
「何を見せ、何を見せないのか」のポイントが明快な家造りは安心と快適をもたらしている。
ギャラリー
建築地: 静岡県浜松市
テーマ:
完工日: 2009年12月