県産木材の家づくりは、仕事で丹沢の再生に関わったときから始まっていたのでしょう。
最初は漠然と○○ホームでも良いかなあ、なんて考えていたときもあったのですが、設計・管理をお願いした加藤建築士とじっくり家づくりを進めている中で、少しずつ家の木材や家づくりの勉強をしていきました。
山本さんと初めてお話したときのことを思い出します。
「皆さん一度見に来てくれたら、うちで建てるようになる」見学した家の床・柱・壁・扉、全て美しく、こんな家ならと期待しつつも、他の工務店からの見積りもわかっていましたので、ちょっと私の予算では無理だろうなと思っていました。
「うちは一度決めたら、その予算内で建てる」最後は丹沢の再生に向け、丹沢の木で建てようと決断し、結果的に決めた予算の範囲内で、見事に建てて頂きました。今でも信じられないです。
我が家の壁は外も内も漆喰に、断熱はセルロースファイバー、床は15㎜厚から38㎜へ、構造材や木製のデッキは、津久井の合お根の檜です。
基礎が終わって、「木がまだ乾燥していないようだ」と連絡があり、実際、構造材を出す愛川の森林組合にも見学に連れて行ってもらいました。上棟を遅らせても、正直に手を抜かない拘りに、頼んで良かったと確信しました。あとで分かったのですが、低温で乾燥出来るのは県内で2か所しかないようです。
上棟後、「やっぱり家は木でできている」と思い、それから毎日大工さんの丁寧かつ見事な仕事ぶりを拝見し、ゆっくりと建てる木の家のすばらしさを体験・学習していきました。
チーム常栄のこだわりは徹底しています。内装の下地、外壁の通気層の下地も合板を使わず、杉のあら材を一枚一枚敷き詰めています。
断熱材は防水シートと下地を作ってから、パンパンに吹き込みます。家づくりは大工さんはじめ職人たちの腕にかかっていることも実感しました。
私の生まれた徳島県の杉の床、階段や玄関周りにも使って頂きました。大工さんが一枚一枚丁寧に組み込んでいく姿は美しかったです。玄関周りのニッチやキッチンカウンター、外付けのデッキやベランダも軸組みで見事な杉材で造作していただきました。部屋から素足で出入りしております。
内壁の漆喰は左官屋さんの技術です。これから長い間、私たちを見守ってくれる良い表情をしております。
梅雨時でも室内はさらっとしています。納戸や屋根裏部屋まで全く同じ仕様、漆喰と無垢の床なんです。
風が抜ける2階のホール、洗面所は妻の毎日の洗濯スペース、素足が気持ち良いようです。夜は裸で風呂上がりにホールや2階のデッキに寝転がり、夜空を見上げ、涼んでいます。外からは見えない工夫が施されています。
玄関は、設計士さんとのハーモニーで素晴らしい顔になりました。9寸の大黒柱は来た人みなびっくりです。
札掛けで間伐した100年の檜も上がりがまちに使って頂きました。これから一緒に年月を過ごすのですね。
本物の家が出来たのも山本さんにお会いする機会があったから、最初のメール、ほんとによかったです。チーム常栄の皆様、ほんとにありがとうございました。大切に造っていただいた素晴らしい家は、私たちのこれからの人生を暖かく見守ってくれます。大量生産を反省し始めた時代に、今回改めて、自然素材。手づくり、こだわりの大事さをおしえていただきましたので、私たちも常にその心を意識し、この家とともに年を重ねてまいります。
ギャラリー
建築地: 神奈川県横浜市
テーマ:
完工日: 2009年06月