長年別荘として使ってきた家をリタイア後の住居に改装するという発想より、そうした先々のことを最初から考慮してセカンドハウスをプランするほうが時としてより現実的で、結果として理想的な住まいになることが多いもの。その好例がS様邸です。
当面は庭仕事のベースキャンプとして、また週末をゆったり過ごすための別荘として使い、やがてリタイア後は永住用に――S様邸は、施主様のそうした人生プランを反映させた住まいとなりました。
まず、いちばんの特徴は平屋であるという点。階段の昇り降りを必要としないので身体的負担も少なくご高齢を迎えられても安心です。そしてもうひとつの特徴はシンプルな間取り。空間をいたずらに細分化せず、広いLDKと寝室という最小限の構成とすることで、むしろゆったりとした居住スペースを生み出しています。
広いウッドデッキから庭を眺めるのがご夫婦にとって至福のとき。お子さんや友人たちを招いてここでバーベキューをすることも。もちろん、とれたての野菜やハーブが主役です。奥様がぜひにとご要望だった、畳と掘りごたつのあるリビング。折上天井と梁表で平屋とは思えないほどの空間的ゆとりを実現しています。作り付けの棚。将来、永住後はここの暮らしに必要な小物類がズラリと並ぶはず。収納スペースの充実は限られた空間を有効に使うためのアイデア。リビングには開放感たっぷりのフルオープンサッシが。室内からもウッドデッキ越しにお庭の様子を存分に楽しめます。
ギャラリー
建築地: 千葉県一宮町
テーマ:
完工日: 2007年02月